魂の炎
□空回りした第五話
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少しだけ二人の世界に入る。
慶火自身は大串くんを実際に見たことは無いが、やはり兄上から聞いている。
「オーーイ!!銀さん早く、こっち頼むって」
「はいよ、じゃ、多串くん俺仕事だから。慶火も行こうぜ。手伝ってくんない?」
「仕方ないな。うん、いいよ。じゃあね総吾、十四郎さん。」
銀時が半分材料を持って上がるので、慶火も同じように昇る。
「バカヤロー、金槌はもっと魂こめてうつんだよ」
「おめーの頭にだったら魂こめてうちこんでやるよハゲ」
「コノヤロー、人材不足じゃなかったらテメーなんて使わねーのによォ。そこ、ちゃんとやっとけよ」
「オメーもなハゲ」
軽口を楽しそう(?)良いながらコツコツ仕事をする二人と黙って仕事をする慶火。
そこに土方が登って来た。
「どうしたの?」
「そこの銀髪に用があんだ。」
「えーと、俺?なんの用?」
「爆弾処理の次は屋根の修理か? 節操のねェ野郎だ。一体何がしてーんだてめェは」
「爆弾…あっお前あん時の!?」
「やっと思い出したか。あれ以降どうにもお前のことがひっかかってた、あんな無茶する奴ァ真選組(うち)にもいないんでね 。」
「いるじゃん。総吾」
「あっ…居たわ…と、ともかく!近藤さんを負かす奴がいるなんざ信じられなかったがテメーならありえない話でもねェ。」
「近藤さん?」
「ほら、天人っぽいゴリラ」
「そうそう、ゴリラだ。いや、近藤さんはゴリラじゃねぇよ!!慶火は一旦黙ってな。
テメーとは女とり合った仲なんだろ、そんなにイイ女なのか?俺にも紹介してくれよ」
土方はそういいながら刀を銀時に投げる。
「お前、あのゴリラの知り合いかよ…にしても何の真似だこりゃ!!」
話している最中だったのにも関わらず、土方は銀時に斬りかかった。
銀時は土方から渡された刀で受けとめるが反動で吹き飛ばされてしまう。