魂の炎

□空回りした第五話
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その二、三日程後に依頼として屋根の修理に行くことになった。

大人の男の銀時が行くことになったが、サボるかもしれないので一応慶火もついて行くことにした。

「あ、やべ。」

「なにやってんの、このだんご虫にも劣る屑が。」

「だから!!いちいち酷いってば!おーい、兄ちゃん危ないよ。」

「うぉわァアアアァ!!」

銀時の不注意で落としてしまった木材の束が下を歩いていた人の横ギリッギリに落ちてきた。

当たらなかった事が奇跡である。

「あっ…危ねーだろーがァァ!!」

「だから危ねーつったろォ?」

銀時は悪気なく、気だるげに屋根から下りていく。

「もっとテンションあげて言えや!わかるか !!」

あーあ、なんか面倒臭そうな人に捕まったっぽいなぁ。

ちょっと心配になって屋根の縁へと歩いていく。

「うるせーな、他人からテンションのダメ出しまでされる覚えはねーよ。」

銀時の声が聞こえる。

「あ゙ぁぁぁ!!てめーは…池田屋の時の…! そうか…そういやてめーも銀髪だったな。」

「…えーと、君だれ?」



「大丈夫でしたか〜?て、十四郎さん。お久しぶりです。総吾。おっはー」

慶火が下を覗くと知っている顔がいたため挨拶をする。

そう、文句つけていたのは土方だったのだ。

「慶火!!久しぶりだな」

「慶火、おはようでさぁ」

くるんっと一回転しながら降りてくるのはやけにさまになっていた。

「あれれ?慶火の知り合い?思い出せないな…。
あ…!もしかして多串君か?アララすっかり立派になっちゃって。
なに?まだあの金魚デカくなってんの?」

銀時がすっとぼけた事を言う。

「馬鹿、多串君の金魚は多串君がケチャップ掛けて食べたんじゃないの?」

「あーそうだったわ。」
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