魂の炎
□空回りした第五話
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場所はとある食堂。
ご飯時ではないのか、意外にすいている。
今、新八の姉、お妙の相談に乗っている最中だ。
なのだが……
「よかったじゃねーか、嫁のもらい手があってよォ。帯刀してたってこたァ幕臣かなんかか?玉の輿じゃねーか、本性がバレないうちに籍入れとけ、籍!」
糖がたっぷりの胸焼けしそうなパフェを食べながらそう言ってくる銀時の頭を掴み、テーブルに容赦なく妙が叩きつける。
そして、そんなことこれっぽっちも知りませんと言わんばかりに妙は、口を開いた。
「最初はね、そのうち諦めるだろうと思ってたいして気にしてなかったんだけど……。気がついたらどこに行ってもあの男の姿がある事に気付いて、ああ、異常だって。」
疲れたような顔で話す妙だが、銀時の方は話を聞いてるのか分からない。
ていうか聞いてないだろあれ。
「ハイあと30秒。」
モブっぽいオッサンが言う。
「ハイハイラストスパート。噛まないで飲みこめぇ神楽、慶火頼むぞ、金持ってきてねーんだから。」
「うるさいカス。黙ることを覚えろ。」
「酷くない!?」
飲み物を飲む勢いでデカイラーメンを腹に文字通り流し込む神楽姉と俺こと慶火。
今日は女物の服など着ておらず私服である。
銀時の座っているその後ろにそのラーメンを3分以内に食べれば食事代が無料だというポスターが貼ってある。
ていうか、あれ殆どが無理だろう。
出来るとしても夜兎だけじゃないの!?
二人共、このまま行けば直ぐに食べ終わる。
ふぅ、漸く食べ終わった。
「きーてんのアンタら!!」
「んだよ、俺にどーしろっての?仕事の依頼なら出すもん出してもらわにゃ。」
「銀さん、僕もう2カ月給料もらってないんスけど、出るとこ出てもいいんですよ。」
「あっ俺真選組に友達いるから捕まえて貰おうか?」
新八と慶火がそう言うと一瞬で態度を変える
「ストーカーめェェ!!どこだァァ!!成敗してくれるわっ!!」
「変わり身早いわ、社会の屑!!」
「なんだァァァ!!やれるものならやってみろ!!」
客席のテーブルの下から出てきたのは
「なんで出てくんだよ!!馬鹿か!てあれ!?近藤さん?」
「ホントにいたよ」
あきれた顔をした。