○REBORN短編
□好きって言って!
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「さて、もう一回です!」
「何はりきってんの?!////」
頬を染めたまま目を見開く名無しさん。
何故か気合の入り始めた骸は輝く笑顔。
「名無しさん、好きって十回言ってください」
「ま、また…?;;」
「はい」
ニッコリと笑う骸に仕方ないなぁと肩をすくめる。
今度こそ気合を入れてみよう。
間違えなければいいんだ、そうだ、間違えなければ…!!
「では、お願いします」
「うん、…すきすきすきすきすきすきすきすきすきすき!!」
「僕の君への感情は?」
「すき!!!」
これは正解だよねとばかりに胸を張ってみる。
間違ってたら自分をナルシストだと疑わざるを得ないなと、名無しさんは心の中で苦笑した。
「どう?」
「…クフフ……はずれ、です」
「えぇ?!」
爽やかすぎる笑顔で言う骸。
リアルにショックを受けた名無しさん。
「残念ですねぇ」
「な、なんで…、骸は、私のこと嫌いなの…?」
しゅんとした顔。
俯いた彼女に、骸は意味ありげに笑った。
「おやおや…。
僕がいつ、君を嫌いだといったのですか?」
「だ、だって、すきじゃない、って…」
「えぇ、好きじゃないですよ」
「…っ…」
こぼれそうになった涙。
それを掬うように、顎に添えられる指先。
くい、っと、軽く上を向かされる。
視線が真っ直ぐかち合った。
「僕は、君が好きじゃない」
「…」
「僕は、君を____愛してるんです」
「……ん、」
微笑んで言った骸。
唇が、重なって。
数秒の沈黙の後、名残惜しげに離れるそれ。
照れを隠すように、視線をずらす。
「……ずるいよ、骸は」
「クフフ…何のことでしょうかねぇ…」
機嫌よさげに笑う骸。
顎から離れた指先は、彼女の背中へと回された。
耳元で、囁く。
「_____Ti amo.」
「………ばか」
好きって言って!
(でも、それだけじゃ足りないの!)