○REBORN短編

□桜ジンクス
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「あー…今日もダメだったよー」



何時ものように、幼馴染の君が、
応接室で、ソファーにもたれ込む。



「…毎回思ってたんだけどさ。何がダメだったわけ?」

「ジンクスだよ!!ジンクス!!」

「……ジンクス?」



意味が解らないというように、僕が首を傾ければ、どこか諦め口調のまま口を開いて。



「そ、ジンクス。

あのね、落ちてくる桜の花びらを見事キャッチできたら、
一つだけ願いがかなう、ってやつなんだけど」



これが難しいんだよ。
と、君が小さく笑った。

ジンクス…なんて。
正直男の僕には理解しかねるけど。




「…名無しさんは、そんな何の信憑性もない非科学的なことを信じてるわけ?
意味わかんないんだけど」

「…ひどくない?」




口元を僅かにひきつらせる幼馴染。

てゆうか、彼女がそんな夢見る乙女みたいな子だとは知らなかったよ。




「別にひどくないでしょ。僕はそういうの信じないし」

「でしょうねー」

「何だ。わかってるじゃないか」

「勿論わかってるけど…。

あ、恭弥だったら何をお願いする?」



…だから僕はさっきから、信じないって言ってるのに。

名無しさんは人とした会話の内容を覚えない子なのかい?




「…はぁ…。僕はね…」

「うん!!」

「………やっぱり言わないよ」

「えぇえ?!Σ」

「…ふ」



くるくる変わる君の顔を見るのは、本当に飽きない。





 
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