○REBORN短編
□殺願狂想
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「___骸さん」
「はい、何ですか」
「死にたいです」
「そうですか」
「……」
______嗚呼、まただ。
私の言葉なんて、まるで興味がないとでも言うように、
デスクワークを再開する骸さん。
ボンゴレ本部、霧の守護者の執務室ではよくある光景だった。
「……骸さん」
「何です?」
「死にたいです」
「…では、勝手に死んでくださいよ」
手に持っている書類から目を離すことなく、淡々と。
これも、何時もの光景で。
「……骸、さん」
「……」
三度目は、返事すらなくなる。
…これも、いつも通り。
「骸さん」
「…」
「殺してください」
「嫌ですよ」
目線が、書類からパソコンへと移る。
それでも、私は視界に入らないまま。
「…骸…さん」
「………君は、何度同じことを言えば気が済むんですか」
ばさりと書類を机に置き、パソコンをぱたんと閉じる。
そして、冷たく、呆れたようにこちらを見た。
「…骸さんが、私を殺してくれるまで、です」
「馬鹿なことを言わないでください。
そんなことしないと何度も言っているでしょう?」
腕を組み、困ったというよりめんどくさいと言いたげな顔の骸さん。