○REBORN短編
□死と存在意義の関連性。
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「それにね、私、友達とかいないでしょ?
うん、家族もいないしね」
「はい、前に聞きました」
「…別に、死んで悲しむ人とかいないんだよね」
「そうみたいですね」
一瞬。本当に一瞬だけ、自虐的に微笑んだ彼女。
それを見なかったことにして、冷たい声音で言葉を放つ骸。
その目から感情は読み取れない。
「おいおい…そこは男らしくさ、僕が悲しむよとか言えって」
「クフフ…。僕に言ってもらいたかったんですか?」
「違いまーす。断じて違いまーす」
「おやおや、残念です」
わざとらしく肩を竦める骸。
頬を軽く膨らまし、むすっとした顔のまま、彼女は骸を見ていた。
「……まぁ、君が死んでも、いずれまた、僕とは会えますよ」
「え、マジでか」
「はい、マジです」
ニコリと微笑んで言う骸に疑いの視線。
しかし、すぐに興味を失ったのか、また足をぶらぶらと揺らし始めた。
「そっか、会えるのか……実に心外だよ…」
ぽつりと呟く彼女。
…まぁ、実際のところ、会えるという確証などありはしない。
会えなかったのなら、その輪廻ではどちらかが転生していなかった…ということなのだろう。
もし出逢えたならば__運命と言っても、いい。
「えぇ、だから問題ないんじゃないですか?
少なくとも、来世の君は____独りじゃない」
けれども、運命なんてくだらないものなんて、自分は信じていないから。
きっと、是が非でも探し出そうとするのだろうと。
「そっか、それなら心配ないね。じゃあ__
骸の方へ振り向き、ニコリと笑う。
「____私、そろそろ逝くわ」
「……そうですか」
最後まで変わらない笑顔。
そんな彼女に苦笑した。
「…うん、だから___またね」
「……ええ。」
…また、風が吹く。
「___次に輪廻が廻ったら、また」
死と存在意義の
関連性。
(僕が柔らかく笑ったその瞬間)
(目の前から、君が消えた)