ゴッドイーター(短編集)
□【たまに触れたくなってしまう】
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物心がついた時には、俺はここ(ゴッドイーター)になりたいと思っていた。
場所はここより少しだけ離れていたが、それでもわざわざここまで出向いたわけは、ここしかなかったからだ。
「なぁなぁ。きょうの任務ってヴァジュラ殲滅だよな」
ブリーフィング中に確認するようにコウタが発言する。
市街地での任務は多くの荒神も集いやすい。
その為、任務に同行する人数も多いほうが確実に生存確率を上げるから、現在第一部隊のソーマ、アリサ、コウタと俺の四人で受けてる。
「俺さ。ヴァジュラって苦手なんだよねー。動きが速すぎてたまに銃が追い付かなくなるからさ」
自分の苦手な動作を聞いてか、ソーマがボソリとつぶやく。
「なら器用になるんだな…」
「うぐ。分かってるって。これでも扱いには自信はあるんだからな。
見てろよ?
皆をあっと言わせるような攻撃で倒してみせるからな!」
「こだわるのはいいけどよ、誤射はすんじゃねぇーぞ?」
やらかしそうなコウタに俺が然り気無く注意をすると、にかっと笑い任せてと返した。
これはどっちの任せてなんだろうな…。
「んじゃ、行くか」
「おう」
「経路は任せる…」
「一緒に行きます」
いつも通り、任務遂行に難なくクリアしたが、アナグラへ帰還後、案の定アリサがコウタに注意をしだした。
「全く…、あっといわせると言ったのはどこの誰ですか。
当たらないからって至近距離で撃って…、挙げ句にリンクエンドも何度かしてもらって」
「いや、敢えて近くに居たらそこまで標的にされないかなと思って」
「あって言うくらいに狙われてたよな。お前」
「なんだよゼロまで〜。ゼロだって狙われてたじゃん」
「お前がぶっ倒れてる時に引き連れてたんだよ。回復出来るように」
スキルにカリスマがあるのと、存在感で敵を引き寄せやすい。だからそれを利用してアリサやソーマにコウタを任せた。