ゴッドイーター(短編集)

□【シオの好物を考えてみる】
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「ごはん!」


ここはシオの部屋。

まわりは硬度の高い壁で覆われてるが、落書きやガラクタで狭い部屋がより一層狭くなり、俺とソーマ、コウタとサクヤにアリサとリーダーでサカキ博士のとこでどの荒神を喰わすか話していた。


そんな俺達を見て暇なのか、ノラミ…、いや。

どっかの誰かがつけた「シオ」という名前の荒神の子が何度もごはんと連呼する。



「ゼロー、ごはーん」

後ろから抱き付いてきて無邪気な顔で見上げて訴えかける。

なんつーか。おめでたいものだ。




「ふむ。覚えたての言葉を使いたがるのは、脳の活性化をも表しているんだ。実に良い傾向だよ」

「博士…、んなお気楽な事言うだけじゃなくてシオの次のエサが何なのか分析してくれよ。

このまま放置されたら、反乱を起こすかもしれねぇーぞ」


抱き付くシオをひっぺがしながら面倒くさそうに訴えても、博士は相変わらず狐のような笑みを浮かべたままで俺に笑いかける。


「なんだい。いつも以上に言葉を交わすね君は。
ひょっとして、満更でもないんじゃないかな」


「ハァ…、何度もひっついてきて鬱陶しくなってくるんだよ…」

深く溜め息をつけば、いつの間にかシオはリーダーの方に先ほどと同じようにごはんと訴えていた。

よしよしと子供をあやすように頭を撫でて様子を見てくれて有難い。






「そうだね。次の食事は…」


博士が言いかけると、ソファーに座っていたコウタがふと思った事を口に出してきた。




「これだけ人型だと、俺達みたいにいずれはご飯とか食えるようになるのかな」




そんな素朴な疑問に、博士がキラリと眼鏡を光らせて応えた。
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