ゴッドイーター(短編集)

□【頑張れお菓子作り】
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ボカァアンッッ!!



アナグラ内での厨房で大きな爆発音が轟いた。


別にアラガミに攻められた訳でもなく、火事が起こったわけでもない。


ある人物が、ある行動をしたから爆発が起こったのだ。


その爆発音と同時に、俺、隊長であるゼロは見事宙へ吹っ飛んだ。












「キャアァァア!! 大丈夫ですかゼロさん!」


悲鳴を上げるアリサの声を最後に、失神した俺が目を覚ましたのは、それから一時間ほどだった。












「なんで電子レンジに卵を入れたんだ…」


医療室で目覚めて第一声がこれである。




「あ、いや、卵を暖めた方が焼くときに最短で出来るかと思って…」


「そんな事レシピに書いてたか?」

「書いて…ないです…」


不穏な空気に耐えられないのか、声をどす黒く低くなっていくゼロから目をそらし、ズーンと沈んでいくアリサ。



根本的に間違ってしまった自分に反省の色を見せると、はぁーっと深い溜め息をついてベッドから下りる。


「さっきみたいに危険な事故も起こるから、手順を教えつつ作るぞ。で、あのあとキッチンはどうなったんだよ」


「あ、それなら爆発音に驚いて皆が来てくれたんです。事情を話したら一応綺麗に片付ける事が出来たので。ただ…」


「ん?」


「お菓子を作っていた事を知って、手伝ってくれたお礼にみんなの分も作る事に…」

プルプルと肩を震わせ、また顔を伏せて沈む。


「なんだ。それくらいなら量を足せば済む話しだろ」

「え!? でも材料足りますか!」


「作る筈だったケーキからクッキーにすれば足りるんじゃねーの。形も小さめにすれば足りるって。失敗しなければの話しだけどな」

「う……っ」


最後の言葉がグサリと刺さったが、キッとゼロの目を真っ直ぐ見つめて意思表示をみせた。
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