ゴッドイーター(短編集)
□【誰かを頼る事】
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「んじゃ…、行くか」
霧がこもり、一頻りに雨が降り続ける嘆きの平原へ私とゼロさんの二人で現地に到着。
ゼロさんの格好はといえば……、
「確か…、スイーパーノワールでしたっけ」
「ん? あぁ、この服の事か」
黒く丈の長いコートが特徴で、雨を多少弾くような素材で出来ていたからか、その服装で来ていた。
正直に言えばいつもと変わらない服なのかと思っていたけれど、
やっぱりジューダスコートだと肌寒いと本人が言って、分厚めのコートをチョイスしたとか。
「ほんとに何着ても不思議と似合ってるんですよね…、着ぐるみしかり…」
遠い目をしてボソリと吐き捨てれば、ん?とゼロさんも不思議な顔をして傾けた。
雨の音で聞こえなかったらしい。
「アリサもその格好すんのも珍しいよな」
「えぇ、まぁ。
こちらの服も動きやすいので」
「なに着ても似合ってるよな。ほんと」
「……!」
さらりと口説き文句のような言葉を突拍子もなく発言する事が何度かあるので、今回も油断していてドキリとしてしまった。
「っと、ここにはケモノ道が円型の内側にいくつかあるんだったな。その辺は警戒しておかないと…」
そんな私の事に気づかず、いつもの四神刀 朱雀の赤いショートブレードではなく、バスターソードの金剛仁王粉砕棒を構えた。
粉砕が狙いなのか、属性を気にしてかこの神機で来た感じでしょうか。
「それでは、宜しくお願いします。ゼロさん」
「あぁ。宜しく」
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