四天宝寺バトテニ/短編

□殺す事なんて出来ない
1ページ/3ページ

「……ここまでのようやな。」

俺は途中、白石と会った。
白石は、いきなり俺のことを襲ってきた。
手にはナイフを持って。

俺の武器は銃だった。

ナイフと銃…。
戦いだったら、銃の方が圧倒的に有利だろう。

白石は尻餅をつき、持っていたナイフは俺の手によって遠くへ飛ばされた。



「………なんで、こんなゲームに乗ったんや…。お前は…そんな奴やないやろ??」


白石は部長。
どんな時も部員のことをしっかり考えていた。

それなんに…なんでや。



「……生きたかった。」


「……え?」




「俺は……生きたかったんや。死にたく…なかった。」

それは…皆同じや。
死にたい奴なんて、一人もおらへん。



「俺は最初、こんなゲームに乗る気なんて…まったくなかった。」


「せやったら…なんで??」


白石は涙を流して、俺に言った。






「千歳が…いきなり、襲ってきたんや。…あの時、千歳の目は別人だった。」



千歳…か。
一番最初の……犠牲者やったな。


「俺は怖くて…気が付いたら、千歳をー…殺してた。」
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ