リアルマーメイド

□リアルマーメイド
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仲良しのアリスちゃんたちと話をしていたらふと名前を呼ばれたような気がして視線を動かした。確かに聞こえた有川という言葉を紡いだ声の主とぱちり、と目が合った。けど、私は何故かとっさにそらしてしまった。…気づいてないよね?あの日…から私はあまり入江君とよくは喋らなくなった、というか、喋れなくなったのだ。何故?なのかはわからない。少なくとも今はそう思いたいだけなのかもしれない。その一方で、入江君に反応してしまったり。声が聞こえると思わず集中して聞いてしまっていたり。自分の曖昧な気持ちに少しだけ苛立ちを感じて。






わかってる。すでに入江君の
人柄に惹かれていたこと。でも、誰かを好きになるのを止めたい自分が、素直な気持ちを邪魔して、わからないふりをしているだけのこと。










ああ、熱い。暑い。





夏が__来る。
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