リアルマーメイド

□リアルマーメイド
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「神奈川県から来ました、有川えるです。こっちに来てまだ知らないことがたくさんあるので教えてもったらり話かけてもらえると嬉しいです。よろしくお願いします。」


パチパチパチ

高2の春、
転校生がきた。編入してきたばかりだというのに初日から彼女__有川えるは目立っていた。人目をひく雰囲気からだろうか。すでに友達も多くできている彼女を一目見たときなんだか懐かしい気分になった。それはそう、彼女の髪___赤い髪に見覚えがあったからだ。今まで数人赤髪の人物に会ったことはあるけど……。彼女は他の人とは違う優しい発色だ。きっと天然の色なんだろう。それにしてもよく似ている。11年前のあの子に__。
色々考えすぎるうちに自然と彼女を見つめてしまっていた。そんな俺の視線を感じたのか有川はゆっくりと俺を振り返った。



息が、とまるかと思った___。



振り返った有川は柔らかく、ゆるりと微笑んで。あまりにも、あの子に似すぎていて。やばい、俺、変かも。ただ微笑まれただけなのに心臓がありえないくらいはやいし、熱い。うるさい。静かにしろよ。ああもう。



なんだこれ………?
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