ときメモGS3
□悪かねえ
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「…おい」
目の前でカリカリとシャーペンの音がもう1時間近くだろうか。
「ん?どうしたの琥一くん」
と首を傾げるコイツはおれの幼なじみ。
「なんで、せっかくの休みにこんなとこで勉強なんだよ」
と、眉間に思わずしわが寄る。
「あと少しだから、ね?」
とお願いされる俺。
ほんと今すぐにでもコイツを連れてどっか遊びにいきてえのに
けど
おねだりはこいつからされると何とも言えない気持になる。
「…すこしだけだぞ」
ボソッと言うと
やった!と嬉しそうに俺に笑いかけるコイツに、俺は唯一かなわないな、と思う。