ごめんね。わからない。

□大丈夫だよ、と。
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猿比古にセプター4に連れて行かれるとどうやら宗像は第二王権者のところに趣いているらしい。


このまま待っていてくださいと猿比古に言われるまま外で警備している淡島副長やらほかの隊員を見て寒いなと手を自分の息であっためていた。



その時だった。


赤い炎が巻き上がる。


それに融合するような赤


尊が出てきた。


まあ宗像がいない今なら暴れ放題なのはある意味正解だが。


淡島へ迷いなく歩く尊、


それに対し制止しようとする淡島


尊がそれを退けようと炎を放った。


赤い、赤い。


見とれるくらい綺麗な赤。


尊のーーーそれは。


汚れない赤。



少しだけ羨ましくなった。



膨大すぎる赤い炎に呆然としてしまう淡島の前に、猿比古がナイフで壁を作る。


『…あれ…、いつの間に…』


というか、俺なんか赤と青の抗争に巻き込まれてません?


どうしようかなぁって考えていると
赤と青の炎が黒く、


黒に侵食されていく。



「…あ?」


「…これは…」


尊と猿比古が眉を寄せた。


そこにある四人が現れる。


「…はー…、いないと思ったらここにいたのか」


少し呆れたような声で歩く愛


「…いつもフラフラしてるからなぁ…しょうがねえんじゃねえ?」

めんどくさそうに髪を乱しながら諦めているような素振りを見せる友喜。

「うん…いつものこと、だから…」


小さな声でふたりの後ろを歩く唯那。


「まあ、でもこれは手ェ出していいよな?」


実に楽しそうに無邪気に笑う羽織。

この四人が歩く後ろには黒い波のようなものが押し迫っている。



『…はあ…』


俺は、頭を抱えた。
こうなると思ったから行く場所を教えなかったというのに、と。
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