12/25の日記

11:36
君を愛してる 21
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アルレイ
20のその後


優しく月明かりが部屋を照らす静かな夜。
腕の中でもぞもぞと動く相手にアルヴィンは苦笑する。

「レイア、おたく何時にも増して落ち着きないな」

優しく髪を掻き上げ額に口付けると、レイアは気まずそうに上目遣いで見詰めてくる。

「う〜…なんか、こう変に興奮しちゃってると言うか…」

その姿はまるでピクニックの前の日にはしゃぐ小さな子供のようだな、とアルヴィンは思いながら柔らかな髪を撫でた。

「けど身体しんどいだろ?目ぇ閉じてりゃ直ぐに眠くなるから今日はもう寝ろよ」

リンクの副作用こそ出ていないが、やはりマナ酔いの症状はまだ出ている。おそらく気持ちが高ぶっているのもそのせいだろうと言い布団を掛け直してやった。

「ねぇ、アルヴィン。さっき言ってくれた“愛してる”って言葉ね、わたしやっと分かったの」

すると、不意にレイアはアルヴィンの胸に擦り寄り目を閉じ続けた。

「わたしも、アルヴィンのこと愛してる」
「レイア……」
「……本当はね、わたしとアルヴィンのマナの相性じゃ絶対リンク出来る筈ないんだって」
「誰が言ったんだ?」

華奢な身体を抱き寄せ髪を撫でながら問うと、レイアはアルヴィンの叔父の名を告げた。

「だからあの人のとこは行くなって言っただろ…」

呆れ気味に言えば、レイアはだって、と続ける。

「わたしが知ってる人達の中じゃ一番精霊学に詳しいから。知りたかったの。何でも。最初に言われたのは、『リンクすればお前はアルフレドを殺しちまうぞ』だった。当然だよね、わたしはサクリファイスだもん。アルヴィンのマナが枯渇するまで、その命を脅かすまで、制御出来ない可能性があるから」
「ジランドの奴……」
「でも、誤魔化しも嘘もなく沢山のことを教えて貰ったよ。わたしは感謝してる」

ぎゅっとアルヴィンに抱き付き、レイアは震えた声を出す。

「わたしは“わたし”がどうなろうと構わない。怖いのはアルヴィンがわたしのせいで居なくなっちゃうこと。でも、もっとアルヴィンの近くに行きたいとも思った。そしてやっと辿り着けた」

優しい声が響く。

「愛してる、アルヴィン」

そして直ぐに寝息が聞こえ始め、アルヴィンはレイアを強く抱き締め「俺もだよ」と応えた。

「……叔父さんとこ行くか」

それだけでない。この幸福を得る為に後押しをしてくれた皆に、アルヴィンは感謝の念を抱いた。




君を愛してる

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