12/11の日記

21:49
君のことが大好きです 16
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アルレイ+バラン


「ん、」

ちゅ、と軽い音を立て唇を離すと、ゆっくり目を開けたレイアは微笑んだ。

「うーん、確かに相性良いね」

アルヴィンの膝に座りご満悦なレイアを見ながらバランはペンを動かす。

「……バラン、もういいだろ」
「不満かい?アルフレド。ただレイアちゃんとイチャイチャしてくれてればいいだけなのに。ねぇ?レイアちゃん」
「ねー」
「……何が悲しくて従兄弟の前でイチャイチャしなきゃなんだよ。レイアもバランに乗るな」

マナをエネルギーとして活用する研究をしている、アルヴィンの従兄弟のバラン。
彼に呼ばれ何事かと思えばこれだ。アルヴィンは大きく溜め息をこぼした。
それと、もう一つ気になることがある。

「なあ……エネルギー変換って、まさかサクリファイスの……」
「ああ、一昔前にあったね。精霊をエネルギー資源の代役にしてたってやつ。アルフレドが知ってたのは以外だけど」
「……レイアはサクリファイスなんだよ」

レイアの頭を撫でながらアルヴィンが言うと、バランはカラカラと笑い出した。

「僕らは精霊をただの道具だなんて思ってないよ。そんな心配しなくたってお前の大事なレイアちゃんが傷付くような真似をするもんか」
「そいつはどーも……」

からかいを含んだバランの声。もうヤケだとアルヴィンは開き直り再びレイアの唇に自分のそれを重ねた。

バランの話によると、精霊はパートナーからマナを得ると同時に自らも微量ながらマナを返すらしい。その際に漏れ出たマナをエネルギー変換しようと言うのがバランの研究だ。仕組みは分からぬが近くにある機器のメーターは確かにマナに反応し指針が振れている。

「ふむ、やっぱり相性が良い方がマナの放出量も安定してるみたいだね。まあ、レイアちゃんの場合はアルフレド自身も大層お気に入りなことが関係ありそうだけど。二人はラブラブだねぇ」
「ふふ、ラブラブだって、アルヴィン」
「……はぁ。そーですねー俺たちラブラブですもんねーレイア」

嬉しそうに笑うレイアにアルヴィンは苦笑しながらも満更ではなかった。目尻に唇を寄せ柔らかな髪をすく。

「大好きだよ、お前のこと」




君のことが大好きです

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12:36
貴方を求める 15
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エリレイ
14の後日



「レイア、大丈夫ですか?」

ぽやんと何処かぼんやりとするレイアを覗き込み、エリーゼは眉を寄せる。

「ん、平気……」
「マナの循環が上手くいってないのでしょうか…。マナの濃度も基準値より高いですし…」

少し熱っぽいレイアの頬を撫でエリーゼが言うと、レイアは小さく笑った。

「上手くまだ調整出来てないだけだから平気。多分そのうち慣れるから」
「……アルヴィンとリンクしたんですか?」
「それはまだ。マナに酔っちゃって途中で記憶ないんだ」
「レイア!無理は駄目ですって言ったのに…!」

叱りつけるエリーゼに苦笑してレイアはごめんなさい、と言った。

「もう……何でそんなに焦ってるんですか?本来リンクと言うのはもっとゆっくり時間を掛けて調節してお互いに慣れていくものなんですよ?」
「ううーん、焦ってるつもりはないよ。ただ、わたしはアルヴィンの全部を早く知りたいだけ」

クッキーを一枚手に取ると、レイアは微笑んだ。

「クッキーを食べて、それが美味しかったらまたもう一枚食べたくなるでしょ?それと一緒だよ。アルヴィンの傍に居れば居るだけ、もっと欲しくなる」
「……クッキーと一緒にしないで下さいレイア」

はあ、と溜め息をこぼしたエリーゼは自分もクッキーを手に取ると一口かじった。

「レイアは欲張りです……」
「ふふ、そうだよ。欲張りで我儘なの」

クスクス笑いレイアも手にしていたクッキーをかじる。甘さが口内に広がり、咀嚼してまたもう一枚。

「それにほら、わたしがリンク出来るようになったらエリーゼの役にも立てると思うよ?今以上に研究の幅は広がるだろうし」

確かにエリーゼの研究に事例は多い方が助かる。アルヴィンとレイア程相性が良かった過去の記録はないから特に。

「それは有難いですが、わたしは一研究者である前にレイアのお友達なんだってことを忘れないで下さいね?」
「うん!ありがとエリーゼ!大好きだよ」
「わたしもレイアが大好きですよ」

あまりに綺麗にレイアが笑うものだから、怒る気がすっかり失せてしまった。

「(代わりにアルヴィンに注意しておきます)」

クッキーを味わいながら、エリーゼはそう思う。





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