イツメンと異世界道中?

□その3
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ペロスペロー「しかし、お嬢さんはその衣装が良く似合うな「ほんと?!」あぁ、私も選んだかいがあったというものだ」
ねこ「ペロス兄が選んでくれたん?うちのために「そのとおりだとも」まって、めっちゃ嬉しいし、やっぱりめっちゃセンスいいじゃん」


最高かぁ?



推したちに会えてご満悦なねこがコツコツと靴を鳴らしながら歩く長男に連れられて行った先は甘いお菓子の家…なんでも今日からここで過ごすことになるのだとか
カラフルなキャンディーとビスケット、それからチョコレートが使用されている可愛らしいデザインのそれにテンションが上がらないわけがなく、三メートル越えの背の高い彼を見上げながらあれこれ感想を述べていた
自分が作ったものを素直に褒められて満更でもない様子の彼がそっと追加のキャンディーを彼女に持たせていたのはまた別のお話



ねこ「ペロス兄〜?「どうかしたか?ぺろりん」あんね、うちの能力さ。まだまだ分からんことばっかなんだけどさ…ペロス兄、なんか知らん?」
ペロスペロー「ふむ、素直なお嬢さんの率直な質問に誠意をもってお答えしよう」




みずみずの実はまだ解明されていない謎の多い悪魔の実で、図鑑にも詳しいことは書かれていない

なぜならその身を食べた能力者は全員、海と一体化して一生元の姿に戻れなくなってしまうからだ

人の姿をしていなければ科学者たちも手の出しようがない

その結果、図鑑にもどこにも詳しい内容が残されていないというわけだ



丁寧に知っていることについて説明してくれるペロスペロー
ねこはその話を聞いたとたんに残念そうな、がっかりしたような顔をした
まあ、自分が食べた身について何か詳しいことが分かるかもしれないと期待していた分、落胆している部分も多いのだろう
そのまま説明してくれたことに礼を述べつつ、出されたキャンディーに口をつけた


自分と似たような能力を持つ彼女になにか感じるものがあったのか、まだ不慣れなのであれば時間のある時にでも見てやろうと兄の顔で彼は言う

約束は守る男だと相手を安心させるような言葉を投げて餌に食いつくのを待っているようだ
その様子に気づいているのかいないのか、今の彼女の反応を見てもどちらかは分からない


何故なら話の途中から、どうしてかそっと下を向いてしまい顔が見えないからである



それは隣にいる長身の彼も同じことで…どうかしたのかという相手を気遣うセリフと共にその背をかがめた




ペロスペロー「どうかしたのかぃ?お嬢さん。下をむいていてはせっかくの可愛らしい顔が見えないだろう。この私に、その可愛らしい顔を見せておくれ、ぺろりん♪」
ねこ「・・・ペロス兄「ん?」うち思ったんやけどさ」


水を上から降らせられるようになったら強くない?



にぱっと笑ってそう答えた少女の目にはやってみたいという彼女の意思がありありと感じられる
確かに頭上から水が降ってきてしまえば能力者である自分たちにはどうにもできない
よく考えついたなと頭を撫でてやりながら、頭を回転させた


この少女が強くなればなるほど利用価値は高くなる
そのうえ彼女はママのお気に入りだ
手懐けて、そばにおいておけばママの食いわずらいが起こった時も迅速に止めることが可能になるうえに、被害を最小限に抑えられるかもしれない




そこまで色々考えながら発言をしているあたり、つくづく計算高い男である



そのまま、こういった攻撃が有効だとか、こういった形状で維持できれば使い勝手がいいのではないかとか、飽き性少女に少し手を焼きながら能力について相談し合い、実際に試して威力や継続時間の延長に挑戦しているうちに、日が暮れ・・・気が付けば、外は真っ暗になっていた

真っ暗でも建物全部がお菓子でできているから、どこからともなく漂ってくる甘い匂いはこの島ならではの長所でもあり鼻の良いものたちからすると甘ったるくて仕方のない事だろう

この暗闇の中で漂う甘い匂いがミスマッチで何とも言えない雰囲気が漂っている
が、いまのねこにはそちらに思考を割く余裕がないからか手元の水に全神経を集中させていた




ねこ「ねね、ペロス兄。うちプリンちゃんに会いたい!!「プリンか・・・お嬢さんがそこまで言うのなら、あとで連絡を取っておこう」やった!ペロス兄大好きっ」がばっ
ペロスペロー「フッ…まるで幼い妹たちのようだな。ペロリン♪」ぎゅーーー
ねこ「(うっわ!ほっそ!あ、でもしっかりしてる)」





そろそろ食事の時間だな、と話を切り上げる彼の後ろについて行こうとしたねこが、ここで待つようにと片手で制されたこと言うまでもない


―ペロスペローと―

ペロスペロー「あぁ、そろそろ夕食の時間だな。うちのシェフの料理は格別だ。楽しみにしているといい…ぺろりん♪」なでなで
ねこ「はーい(色気すご…っていうかさっきからずっと頭撫でられてるんだけど?推しがお兄ちゃんしてる…かわいいか??)「仲良くしてもらってるようで何よりだよ」あ、深翠!おかーり」
カタクリ「今戻った「そちらも何も問題はなさそうだな」・・・あぁ」
深翠「すみません、このこがなにかご迷惑をおかけしていませんでしょうか?「しーすい!?うちってそんなに信用無い?」黙秘」
ねこ「ひどっ!!うちだってちゃんと待っとれるもん!勝手にどっかいったり「するでしょ。それで実際何度迷子になった?ん?」・・・ごめん」しょぼん
ペロスペロー「フッ、そう心配せずとも、お嬢さんはここでいい子に待っていたとも…もちろん私も手をだしていない・・・お前たちは大事な客人だからな。ぺろりん♪」ニヤり
深翠「なにもないならそれでいいんです(悪そうな顔…カッコよすぎか)」
ねこ「(はー――――、ペロス兄最高っ)あ、そうだ!聞いてしーすい!さっきペロス兄とね?―――――…」
カタクリ「・・・・「どうした、カタクリ」いや、なんでもない」→心の中の声全部聞こえてる人
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