イツメンと異世界道中?

□その3
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そろそろ、本題に入るとしよう

自分に向けられていたものが下ろされたと同時にこちらを向いたところを見ると、ねこ自身も見聞色の覇気があるのでこの状況には気づいていたが、私が動かない所を見て、大人しく気付かないふりをすることにしたようだ


流石はうちのこ、ちゃんと周りを見れて偉い!


あとでめいっぱい頭を撫でておこうと心に決めて、目の前にいる彼と正面から向き合うために口を開いた



深翠「回りくどい説明は無しでお願いします。一人混乱しやすいのがいるので」
ペロスペロー「ふむ、それなら単刀直入に言うが…ママがお前の能力を欲しがっている」



お前…


そう言って目を向けられたのはやはり悪魔の実の能力者であるねこだった
彼女はみずみずの実という実を食べた水人間で、その名の通り水を操ることができる
そして水の中でも力は抜けず海にも嫌われないという特殊な能力を持つ唯一無二の貴重なロギア
そんな彼女の能力を欲しがらないはずもなく、とまあ、彼女が目をつけられていた理由については薄々気づいていた


その一方で無理についてきた私もちゃんと人として扱われているのは何故なのか
船に乗せられた時からずっと思っていたことである
見聞色も覇王色も使えない、武装色の覇気がちょっとだけ使えるだけの運動音痴がなんの役に立つのかと考えていて、気づく



あ、これ、私も人質だ
ねこを守ろうとして私自身が人質にされている



その事実に気づき、サッと顔色が変わった
能力者だらけのベテランぞろいなビッグマム海賊団相手に下っ端である私がかなうはずもない
相手がちょっとでも本気を出せば私なんか一ひねりだ
さっきまで、ねこを守る事ばかり考えていたがここからは立場が逆転してしまいそうだと思わず苦笑い



気づくのがあまりにも遅すぎた



ねこ「あー、やっぱり」
深翠「ただの人間である私までここまで丁寧に扱って貰えている理由は?「ぺろりんぺろりん♪招いた客人をもてなすのに理由がいるのか?」・・・さようで」



今更どうしようもないかと腹を括り、目の前のカップへと口をつける
フルーティーな紅茶は飲みやすくてすっきりとしていた
甘ったるいお茶は苦手なのでこれは有り難い

しかし好みの話をこの男にしただろうかと不思議に思い目をそちらへ向ければ、弟たちから事前に聞いたなどという彼
どうやらそんな細かいところまで報告されていたようだ
別にイラナイジャンそんな情報…なんて思ったけど、日ごろからどこぞの重役と交渉する機会の多い彼ならではの気遣いと情報収集能力の賜物として心の中で拍手を送っておくことする


はてさて、これからどうするか

まず、ビッグマムに会って失礼のないようにねこの能力を諦めてもらうよう交渉しないと
それでもダメなら力ずくでここから脱出するほかない


そうなれば、赤髪海賊団との戦争につながることは明白なのであまりこの選択はしたくないがもしもの時のために体力は温存しておくとする


なんて思っていたら突然後方のドアが開く音がした



ペロスペローが何も言わない所を見るとここへ相手が来ることは分かっていたらしい
ねこがさっきからそわそわしていたのも見聞色の覇気で事前に察知していたからだろう
分かってたなら教えてよって思ったけどこればっかりは見聞色の使えない自分が悪いので心の中だけに納めておくとする



それから数秒もしないうちに部屋へ入ってきたのはもちろんこの人



―長男と次男―

カタクリ「ペロス兄、ママから客人を連れてくるよう命令された」
深翠「(よりにもよって、カタクリを迎えに寄こしてくるあたり逃がすつもりはないと見える。徹底してるな、ビッグマム)」
ペロスペロー「ぺろりん♪もうそんな時間か、わざわざすまなかったなカタクリ」
ねこ「(わぁ!!!カタクリだぁ、おっき!!筋肉やば、声ひっく!このマフラーの下のおっきな口でドーナツ頬張るんでしょ?は?可愛いか???)」
深翠「ねこ・・・見すぎ「だってさー、だってさ?推しが目の前にいるんだよ?しかも二人」気持ちは分かるけどとりあえず落ち着け・・・赤髪海賊団・クルーの深翠と絶滅危惧種です」
カタクリ「シャーロット・カタクリだ「お会いできて光栄です。あとミニ餅、美味しかったですご馳走様でした」・・・あぁ」
ペロスペロー「さぁ、話はこのくらいにして…そろそろママの所へ案内するとしよう」
ねこ「はぁい(舌なめずりした!!は?なにこのかわいいイケオジ)「「その前に、だ。ホーミーズ/僕たちに任せて!さぁお着換えタイムだ」」は??え、ちょっ…わっ!?」ぽん
ペロスペロー「そのままの格好でママにあわせるわけにもいかないからな少々強引だが、我慢してくれ。ペロリン♪」
深翠「あら、かわいいおべべ「ひらひらぁ」似合ってるよ」
カタクリ「お前もだ「あ・・・ですよね」・・・・」ぽぽぽんっ
ねこ「しーすいの、あんまひらひらしてない「一回は着せられたんだけどね。似合わなくて即却下」えー、うち見たかったぁ」ぶーぶー
深翠「・・・いつかね」
カタクリ「・・・行くぞ」
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