イツメンと異世界道中?

□その1
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無事に着替えやら、ねこのスキンケアやメイク道具、タオルなんかも買えてホクホクな24歳ですどうも


私は今買ったものを手に、荷物を持とうとする彼らにお礼を言いつつ、やんわりお断りしているところです

自分で買ったものくらい自分で持ちます

といいはる私と



荷物持ちは男の仕事だ


と口にする彼らはどちらも間違っていなくて…
もうこれは折れてしまった方が速いのではないかと思いつつも申し訳なさすぎるので、きっぱりお断りさせてもらった

はやく連れ…廣瀬さんたちの所までいくよと声をかけて一歩踏み出したところで、背後から聞こえてくる聞きなれた声に、ねこと二人で目を輝かせることとなる


廣瀬「深翠さんもねこさんも、こんなところにいたの?時間になっても姿が見えないからオジサン、心配で探しに来ちゃったよ」
ねこ「パパ!!!「うちもいるよ」七くんも」ぱぁあ
深翠「すみません。ちょっと、色々あって…」
廣瀬「色々?「聞いて、パパ。アタシら人攫いに攫われてたんだよ」…なんて?」


言葉の通りです


真顔でねこに賛同すれば、色々察したのか困惑した顔から申し訳なさげな顔になった
これは自分が側についていればよかったと思っている顔だ
その後に続いたのはまさに自分が思っていた通りの言葉で…廣瀬さんらしいなと思いつつ、後ろにいる彼らに助けてもらった事を伝えておいた
続けて、ねこが身振り手振りを交えて事の詳細を話し始める

買い物を順調におえて、早めに集合場所へいこうとしていたこと
その途中で私が背後から頭を殴られて気を失い、ねこ共々人攫いにあってしまったこと
監禁されて、殺されるのを承知で外に助けを求めようとしていたこと
勢いよく開けられた扉に人攫いたちに逃げようとしたことがばれたのではないかとあせったこと
それが、たまたま私たちが拉致された所を目撃していたベックマンとホンゴウで、人さらいを一蹴し助けてくれたこと
ここまで送ってくれたこと

廣瀬さんや七くんと合流するまでにあったことを事細かく説明していた
話を聞くや否や、二人に向かって頭を下げる廣瀬さんとお礼を言ってくれている七くん
一方で先ほどまで流暢に喋っていた彼女は口を一文字に引き結び、恩人へ向けて頭を下げている彼に抱き着いて離れようとしない・・・コアラかな?
そんな三人を見て、無害だと確信したらしい彼らはいつのまにやら得物に添えていた手を下ろしていた


ホンゴウ「シンスイの怪我のことなんだがな、――――――…」カクカクシカジカ…
七くん「ふむふむ・・・じゃあ、傷口はあんまり濡らさないようにして包帯も定期的に取り換えた方がいいよね?うちの拠点には救急セットとかないから、今のうちに傷薬と包帯買っとかなきゃ…」
ねこ「・・・・」じ…
ホンゴウ「シッポウは物わかりが速くて助かるぜ!薬は俺が作ったやつ分けてやるよ。包帯もいりゃ、好きなだけもってけ」
七くん「いいの?「おう」ありがとー、ホンゴウさん」
ねこ「・・・・・」ちら👀
深翠「・・・」バチッ👀


船医であるホンゴウさんは七くんに私の怪我の具合を説明しているし、ねこは静かにその様子をガン見

好きなんだね、ホンゴウさん
分かるよ、私も好き


まだ、ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛…とか言い始めないだけましである

ねこは限界オタクであり、私もオタクだ
だからこそ分かることもあるというもので…こちらを向いた彼女と顔を見合わせて頷きあった

理解のある七くんはそれすらも微笑ましそうに眺めていて…
良い子だ…七くんが良い子過ぎる。これあとで何かご褒美を用意しなければ・・・
くっ…これがいつもの配信アプリであればギフトをたんまり投げてあげられたというのに…残念

その傍らで、ベックマンは廣瀬さんと話が合うらしくアレコレ難しそうな話を始めてしまっていた
暫く楽しげに話している彼らの様子を見守っていたが、見てしまったのだ
廣瀬さんの目が輝いた瞬間を・・・

これは話が長くなるぞ…


なにを隠そう、彼は極度のお話し好きであり、ひとつひとつの話が長い
興味のある事に関してはさらにそれに磨きがかかってしまうのである

私は私でその様子を暢気に眺めていた
流石にあの輪の中には入れない…そもそもの話、二手に分かれて効率よく買い物をすませようと提案したのは私であり、今回の件に関しては完全に私の監督不行き届き
廣瀬さんに非はない

だというのに、頭に巻かれた包帯に再度目を向けると自分のせいだと言わんばかりに顔をゆがめる彼に思わず苦笑した



ー優しすぎるのも困りものー

廣瀬「ごめんねぇ、深翠さん。オジサンがいれば深翠さんが怪我をすることも、二人が怖い思いをすることもなかったのに…」
深翠「廣瀬さんが謝るようなことじゃないですよ。…今回の二の舞にならないように、拠点に戻ったら、なにか対策を練りましょう」
七くん「パペー、ホンゴウさんが薬と包帯分けてくれるってー」
廣瀬「ほんとに「うん」すみません、このこたちを助けてもらっただけじゃなく、手当てまでして貰って」
ベックマン「感謝されるほどのことはしてねぇよ・・・寧ろ、見てたのにすぐ助けてやれなくて悪かったな。それは俺らからの詫びだ、使ってくれ」
廣瀬「服や生活用品がこんなに…ありがとう。君たちは海賊なんだろう?この子たちの保護者として、是非とも船長さんにもお礼を言いたいのだけれど・・・」
ねこ「え、パパ???パ…?え?????(シャンクスに会えるの?マジで?)」
ホンゴウ「んじゃ、俺らについてきてくれ「はーい」今夜は宴でな、うまいもんたらふく食わしてやるよ」
七くん「宴かぁ、どんな感じなのかちょっと気になってたんだよね」わくわく
深翠「えかったね、七くん「これは俺が預かろう」あ、ちょ…」ヒョイ→搔っ攫われていく紙袋
ベックマン「いくぞ・・・・」スタスタスタ…
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