自己満小説・閲覧注意

□昔話と怪我人生活
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この間にマルコが僕の境遇や傷のことについて各隊の隊長達に説明していたらしく、翌日から皆の対応が変わっていたことは言うまでもないだろう

〜〜〜

読者さんには僕から説明しようか。ちょっと長くなるけどお付き合いくださいな

16年前の大雨の日に僕は生まれた
病院にも行かず自宅で出産した母は勤め先のスナックのママに手伝ってもらいながら、僕と繋がっているへその緒を切り名前をつけると出血多量で亡くなったらしい
何故か母さんは保険証を持ってなくて病院に行けなかったんだって
僕はスナック1の美人で遊び人の母親がいろんな男と遊び回っていた末に出来た子で父親は不明らしく、4歳になるまでスナックのみんなやママたちが仕事の合間をぬって面倒をみてくれていた
4歳になった誕生日に自分の父親であるという男性が名乗り出て身寄りのない自分を引き取りたいとママに願い出たそうだ
かなりしつこかったので身分証のコピーを求め男性の人柄を見たあと渋々僕を受け渡したという・・・これが悲劇の始まりだった

父?「さぁ、いこうか『おでかけ?』そう、俺とお出かけしよう」
『おでかけーー!』

お出かけしようという父親かもしれない人にニコニコ笑ってついて行った先はボロボロのアパート、階段を上がるよう言われ素直に言うことを聞けば満足そうに頷き、止まれと言われた扉の前でここなのかと後ろを振り返れば無言でドアを開けられ中へと突き飛ばされた
その拍子に頭を打ったがそんなことは関係ないとでもいうように胸ぐらを掴んで何度も頬を叩かれる
自分が静かないい子だと聞いたときからサンドバッグにする予定だったのだと男は言った
しかし殺すのは周りにバレたときに面倒なので、殺さずに毎日手をあげる…そう宣言された
逆らったら殺される。幼いながらにそう思った僕は静かに相手の気が済むのを待った・・・その日は初日だからと10分間叩かれるだけで終了

その日から地獄のような日々が始まった

翌朝、頬を叩いて起こされたかと思うと泣く暇も与えず殴りかかってきた父親かもしれない人
・・・この人はお父さんじゃない。直感的にそう思った
殴って殴って…たくさんアザができたかと思えばぴたっと動きが止まり、気が済んだのかと起き上がろうとすればカッターでザックリと腕を切られた。あまりの痛さに我慢出来ず、我を忘れて泣き叫ぶ

『あぁああああっ!?ぅわぁああ…』
父?「・・・チッ」
『あぐっ「うるせぇよ」っく、ひっく…』
父?「・・・」

サンドバッグである自分が病院に連れていってもらえるはずもなく頭と腕から出血した状態でそのまま放置
自力で起き上がってそこら辺にあったタオルでぐるぐる巻きにすると部屋の隅へ
そこが自分の定位置となった
家事全般は僕の仕事(押し付けられた)食事は出るけど少量・・・風呂は入らせてもらえないし、着替えもない
火傷も切り傷も全部この時出来たものばかり…完全に治ることはない

そんな生活が変わったのは小学校に上がる頃。制服やらランドセルやらを揃えて急に優しくなったあの人は卒業するまで一切手は出さなかった。おそらくPTAがうるさかったからだろう
中学生になって1週間たった頃、再びサンドバッグへと逆戻り
学校に行かせてやってるんだからと理不尽な理由でサンドバッグに逆戻りした僕はいつも長袖の制服を着ていた
着替えは全て空き部屋で行っていたのだが、サボるためにそこを使用する生徒が増えたため、生徒には内緒でいつの間にやら防犯カメラが設置されていた。その結果防犯カメラに気づかずにいつものように空き部屋で着替えてしまい、モニターをチェックしていた教師により、身体中に痣があることが判明
下校しようとしたら般若のような表情の先生たちに声をかけられ、グイッと腕をひかれたかと思えば職員室に呼び出され、この痣はどういうことかと尋ねられたのだ。素直に事情を話したところ、その日の夕方にあの人が捕まった・・・罪名は虐待とネグレクト  *ネグレクトとは育児放棄のことである

引き取り先がなくなった僕は施設に入れられ、そこでの生活に慣れてきたころ、さきちゃんと出会った
(衣食住の全てが整った施設での生活が幸せすぎて激太りしました〜!性格がひねくれずにすんだのは施設の職員さんたちのおかげです)
育ての親であるスナックのママは小学生の頃に亡くなったと風の噂で聞いた…かなり大きくなってから知ったけど、育ててくれた母親が死んだのかと思うと正直悲しかった

それも超えて今にいたる

ー昔話ー

先生(「早く気づいてやれなくて悪かったな。伊丹」)
(『寧ろ助けてくださってありがとうございま…っ・・・』)ズキッ
先生(「腕…まだ痛むか?」)
(『たまに…「ほかのとこは?」骨折したところが治ってアザも消えてきましたし、そろそろ施設を出ようかと。バイトしてお金貯めたら職員さんたちに恩返しするのが先なので・・・』」)
先生(「律儀なやつだなお前も…」)
(『元からです「そんなお前に頼みたいヤツがいるんだ」・・・?』)
先生(「入ってこい」)
(「…失礼します」)
(『!…(この目)』)
先生(「1年の渡辺だ」)
(「渡辺…さき、です」)
(『2年の伊丹史織です。育ての親…の2代目から数ヶ月前まで虐待受けてました、どうぞよろしく』虐待?」)
(『ほら』)グイ…→袖をまくれば顕になる痣や切り傷
(「っ!?」)びくっ
先生(「脅かしてどうする」)ベシ…
(『あたっ!あー・・・ごめん、さきちゃん』)
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