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□安眠
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和やかな空気の中、急に眠気が襲う

ハンジさんやナマエさんといるとどうも気が緩む

これは2人が俺に気を許してくれているように

俺も2人に気を許しているからだろう

とはいっても仕事中だし、寝るなんてとんでもないことだ

気を引き締めようと首を振る



すると、ハンジさんがナマエさんに

何かをこそっと言ったかと思えば

俺に優しく微笑みかけてきた





「エレン、疲れてるんだろう。少し休むといいよ」



「そうよエレン君、無理をしてはいけないわ」




2人の優しい笑顔になんだか泣きそうになったが

ここで甘えてはいけない気がした




「い、いえ…仕事中ですし。それに一番下っ端の俺が休むなんて」




といったところでナマエさんが

ソファに座る俺の目の前まで歩いて来て

目線が合うようにしゃがみこんだ




「顔に疲れが出てるよ、今日のハンジさんのお手伝いは

しっかり休む、ってことにしようよ」




俺の左の頬にナマエさんの小さな右手が触れる

心拍数があがってどうしようもないが

ナマエさんの優しくて綺麗な瞳から

目を逸らすことはできなかった






「すみません…俺ばっかり…」




やっとのことで謝罪の言葉を口にすれば

ううん、と首を横に振り

今度は俺の頭を撫でてくれた





「ハンジさんも心配してたんだよ

最近エレン君が疲れすぎてるんじゃないかって

今日は元々、休んでもらうために呼んだんだから」





ね、と言って俺を納得させるように笑うナマエさんは本当に女神さまのようだ









「じゃあ、この実験室は空けておくから

そのソファでよかったら横になってるといいよ」





書類の提出があると、ハンジさんはそこで

上機嫌のまま部屋を出て行った









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