TOV 天を照らす銀河 最終章
□第68話 フェローの決意
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コゴール砂漠
コゴール砂漠の上空では、フェローが飛び回っていた。
ジュディス「フェロー!」
リタ「傷ついているのになんで飛び回ってるの?」
ユーリ「あんな状態で馬鹿なヤツに襲われたらひとたまりもねぇだろうからな」
レイヴン「人間に聖核を渡さないためか」
リョウ『ん?フェローが降りていくぞ』
エステル「なんだか……呼んでいるようです」
フェローの岩場
ジュディス「フェローしっかりして。ごめんなさい、私たちのために……」
横たわるフェローに声をかけるジュディス
リョウ『ひどい傷だ……ザウデでオトリになったときのだな』
フェロー「世界の命運は決し、我らはその務めを果たせず終わる。無念だ……」
ユーリ「悪いけど、まだ終わっちゃいないぜ」
フェロー「ザウデが失われ、星喰みと魔王は帰還した。これ以上、なにができよう」
エステル「まだ望みはあります!まだ新しい力があるんです!」
リタ「あんたを精霊に……エアルをもっと制御できる存在に転生してほしいの」
ユーリ「そのためには……あんたの聖核が必要なんだ」
フェロー「我が命を寄越せというか……心では救えぬが世界を救いたいという心を持たねば、また救うことはかなわぬか……そなたらの心のままにするが良い」
フェローの身体から光が発せられたあと、聖核が出現する。
レイヴン「精霊になっても協力してくれなかったりしてね……」
ジュディス「フェローは世界を愛しているもの。きっと大丈夫よ」
精霊化の術式が成功し、聖核から炎が噴き出した。
リタ「やった」
リョウ『炎の精霊か?』
「おお……無尽蔵の活力を感じる」
ウンディーネが出現し
ウンディーネ「お久しゅう、盟主どの。転生、お祝い申し上げます」
「その気配は……ベリウス?そうか、そなたも……」
ウンディーネ「水を統べるようになった今はウンディーネと呼ばれております」
「在りようを返し今、我もまた新たな名を求めねばな。我を転生せしめたそなた我が名を名付けよ」
カロル「めらめら火の玉キン……『せいッ』
バキッ
カロル「あうっ」
そう言いかけたカロルを、リョウがチョップで止める。
エステル「力強く猛々しい炎……灼熱の君イフリート」
イフリート「世界と深く結びついた今、すべてが新しく視える。この死に絶えた荒野さえ力に満ち溢れている。ははは、愉快だ」
そう言いイフリートは飛び去った。
リョウ『飛んでったぞ』
パティ「どこに行くのじゃあ」
ウンディーネ「案ずるな。我らそなたと結びついておる。どこであろうと共に在るのじゃ」
ウンディーネも姿を消した。
リョウ『なんかフェローとは違うノリだったな』
リタ「きっと価値観がまるっきり変わるのよ」
ユーリ「次はエレアルーミンへ行こう」
To be continued