TOZ 君がくれた名

□第8話 わずかな希望
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「あの洞窟です!!」


ライラが指をさした洞窟に駆け込むアリーシャ達。
しばらく進んでいると


「こんな暗いとこに天族がいるの?」


ロゼか不安を口にする。
しばらくして、明るく開けた場所に辿り着いた。


「客人とは何年ぶりかのう……」


声のする方を見ると、ひとりの老人が杖をつきながら近づいてきた。


「もしかして……あなたが?」


アリーシャが尋ねる。すると、ライラが


「はい。この方が究極神を封印した天族、ジェトスさんです」


「いかにも、わしがジェトスじゃ。究極神について聞きに来たのじゃろう?
究極神が復活したことはついさっき感じ取った」


「私はアリーシャと申します。いきなりで恐縮ですが、究極神を倒す方法を……でもそれでは……究極神を分離させる方法を教えてはいただけませんか?」


「究極神を分離じゃと?どういうことじゃ?」


「実は……」


アリーシャはジェトスに、究極神の身体の一部が自我を持ち分離していたことを説明した。


「なるほど……それで自我を持った者が取り込まれ、完全復活するまで究極神の封印が解けたことしか感じ取れなかったのか……
残念じゃが、究極神を分離させる方法はない……」


「そんな……」


「究極神は封印することしか出来ないのじゃ。倒すこともできん」


「たとえ封印が成功しても、ルードは……もう帰って来ない……そんなのは嫌だ!!」


アリーシャは泣き出してしまう。


「ん?待てアリーシャよ。ルードというのは究極神の一部の名か?」


「は、はい。初めて会った時に私が付けました」


「それなら望みはあるかもしれんの……」


「本当ですか!?」


ジェトスは少し離れたところにあった槍を持ってきた。


「究極神と対峙した時、何度もその者の名を呼び掛けるのじゃ。
もしかすると、目覚めて再び分離するかもしれん。
そして、この槍は究極神を封印できる唯一の武器じゃ」


アリーシャは槍を受け取る。


「これで究極神を封印して、ルードも救う!!」


「わしはもう戦う力はない。じゃが、力を与えることはできる」


アリーシャ、ロゼ、エドナ、ライラの体が光りはじめる。


「これで究極神と同等に戦えるはずじゃ」


「でもどうやって究極神のところに行くの?」


エドナが尋ねる。


「わしの力で送ることはできるが、ひとりが限界じゃ」


ジェトスの言葉にロゼが


「じゃあ、あたしとエドナとライラは災魔を倒そう。近くの村や町が襲われる前に。今のあたしたちなら災魔も倒せるんでしょ?」


「そうですね」


「それがいいわ」


「ロゼ、ライラ様、エドナ様、気をつけて」


「アリーシャもね。ルードを絶対に連れて帰るのよ」


ロゼの言葉にアリーシャはうなずく。


「決まりじゃな。究極神の背に奴の本体がいる。そいつに名前を呼び掛けるのじゃぞ」


「分かりました」


アリーシャは光に包まれて消えた。


「あたしたちも行こう!」


ロゼ、ライラ、エドナも災魔を倒しに洞窟の外へ向かう。


ルード。君は私が救う!!


To be continued
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