TOZ 君がくれた名

□第7話 消滅
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『くっ……なんて威力だ……』


「う……うう」


『アリーシャ!?』


ルードは近くに倒れているアリーシャを見つけ、地を這う様にアリーシャに近づく。


『アリーシャ!しっかりしろ!!』


「う……ルード……」


「まだ生きているのか。しぶといな」


目の前にツォールが現れる。


『ツォール……』


ルードはツォールを睨み、アリーシャを庇うように体を重ねる。


「そう睨むな。その小娘の命などどうでもいい」


ツォールはそう言うと、ルードの首を掴み持ち上げる。


『ぐ……』


「やっと……やっと……捕まえたぞ。我の一部(パーツ)よ」


『パ、パーツだと……?』


「そうだ……どうせならそこの小娘にも聞かせてやろう……起きろ」


ツォールはアリーシャの体を軽く蹴る。


「う……ツォール!!ルードから手を離せ!!」


アリーシャが目を覚まし、今の状況を見た瞬間立ち上がろうとしたが
体に激痛が走りひざまずいた。


「さて、ルードよ貴様には過去の記憶がないのだろう?」


『な、なんでそれを?』


「貴様は我ツォール……いや、ツォルガルデの一部なのだ!!」


「ルードが……ツォルガルデの一部」


『おまえが……ツォルガルデだと……』


アリーシャとルードは驚愕した。
さらにツォールは続ける。


「我は太古の昔、ある天族に封印された。だがその封印も時が経つにつれ弱まり、ついに復活の時が来た。
だが、我の身体に異変が起きた。身体の一部が自我を持ち離れて行った……それが貴様だルード」


『俺……』


「そうだ!!貴様の記憶など最初から存在しない!!貴様は生まれたばかりの赤子のようなものだからな!!」


『俺は……ツォルガルデの一部……』


ルードは絶望感に包まれた。


「最後に面白いものを見せてやろう」


ツォールはおもむろにずっと顔を隠していたフードをとる。
現れたその顔は……


「『!!??』」


ルードそのものだった。


「理解したか?貴様が我の一部だということを……これで話すことはもうない。あとは貴様を取り込めば我は完全復活する」


「やめろ……ルード――――――」


ドスッ


ツォールの剣がルードの腹部を貫いた。


「今度こそ……我は……復活する……究極神ツォルガルデとして!!」


ルードとツォールは宙に浮いていき、それと同時に辺りは暗くなっていく。
ルードとツォールの周りには黒い霧が包み込み、次第に大きくなり形を変えていく。そして、上半身は人間で下半身が龍の一山程の大きさの化け物となった。
究極神ツォルガルデは完全復活した。


To be continued
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