TOV 天を照らす銀河 第3章
□第56話 変わり果てた帝都
2ページ/3ページ
ザーフィアス城
ザーフィアス城の城門をカロルが開け、城に潜入したリョウたち。
城内は不気味なほど静まり返っていた。
カロル「あれ?エアルがないよ?」
リタ「エステルの力を使ってこんなことまでやってのけたんだわ」
レイヴン「きっとお出迎えがあるぞ」
リョウ『そうだな。気を引き締めて行こうぜ』
城内を進んで食堂の前までくると、ジュディスが人の気配に気づく。
ジュディス「まって。誰かいるわ」
扉の両脇で構えるリョウたち。すると扉が勢いよく開かれた。
「だあああああ!!!」
リョウ『ん?』
食堂からシュヴァーン隊の面々が飛び出し、そのまま壁に激突した。
シュヴァーン隊「あだだだだだだ!」
リョウ『あんたら……大丈夫か?』
「ユーリ!?ユーリか!」
ユーリ「!?ハンクスじいさん!?それにみんなも!?」
食堂には大勢の人がいた。
リョウ『ユーリ、知り合いか?』
ユーリ「全員下町の住人だ。無事だったのか!」
ハンクス「そりゃこっちのセリフじゃ」
ユーリ「なんで城の中に居んだよ!?」
レイヴン「ほんと、それにおまえらまで」
ルブラン「それがその、フレン殿の命令で市民の避難を誘導していたのでありますが、その……ふと下町の住民の姿が見えないことに気がつきまして……」
ハンクス「出口は崩れるわ、おかしな霧は迫るは、危ないとこじゃった。
なんとか騎士殿の助けで霧のないここに逃げ込めた。命の恩人じゃよ」
レイヴン「おまえら……よくやったな」
ルブラン「こっ光栄であります!シュヴァ……レイヴン隊長殿!」
レイヴン「隊長ゆーな。俺様はただのレイヴンよ」
ルブラン「はっ!失礼しました。ただのレイヴン隊長!」
あきれるレイヴン。
ジュディス「尊敬されてるのね」
リタ「ほんと、想像つかないわ」
パティ「見かけによらないもんじゃの」
カロル「よかったね、ユーリ」
ユーリ「しぶとい奴らだっての忘れてた。心配するだけ無駄だったわ」
リョウ『の割には、えらく嬉しそうじゃねえか』
ユーリ「うるせ」
レイヴン「おまえら、元団長閣下を見なかったか?」
ルブラン「はっ、いえ我々は見ておりません。ただ外で親衛隊の話し声で、なにやら御剣の階梯(みつるぎのきざはし)のことを」
リタ「御剣の階梯?」
レイヴン「うちらが吹っ飛ばされた、あの高―い高いアレよ」
ジュディス「まだそこにいるってことね」
パティ「煙と極悪人は高いところに昇りたがるんじゃな」
ユーリ「だな。じいさん、あんたらはこのままここで隠れてくれ。行くぜ!」