TOV 天を照らす銀河 第3章

□第56話 変わり果てた帝都
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ザーフィアス城


ザーフィアス城の城門をカロルが開け、城に潜入したリョウたち。
城内は不気味なほど静まり返っていた。

カロル「あれ?エアルがないよ?」

リタ「エステルの力を使ってこんなことまでやってのけたんだわ」

レイヴン「きっとお出迎えがあるぞ」

リョウ『そうだな。気を引き締めて行こうぜ』

城内を進んで食堂の前までくると、ジュディスが人の気配に気づく。

ジュディス「まって。誰かいるわ」

扉の両脇で構えるリョウたち。すると扉が勢いよく開かれた。

「だあああああ!!!」

リョウ『ん?』

食堂からシュヴァーン隊の面々が飛び出し、そのまま壁に激突した。

シュヴァーン隊「あだだだだだだ!」

リョウ『あんたら……大丈夫か?』

「ユーリ!?ユーリか!」

ユーリ「!?ハンクスじいさん!?それにみんなも!?」

食堂には大勢の人がいた。

リョウ『ユーリ、知り合いか?』

ユーリ「全員下町の住人だ。無事だったのか!」

ハンクス「そりゃこっちのセリフじゃ」

ユーリ「なんで城の中に居んだよ!?」

レイヴン「ほんと、それにおまえらまで」

ルブラン「それがその、フレン殿の命令で市民の避難を誘導していたのでありますが、その……ふと下町の住民の姿が見えないことに気がつきまして……」

ハンクス「出口は崩れるわ、おかしな霧は迫るは、危ないとこじゃった。
なんとか騎士殿の助けで霧のないここに逃げ込めた。命の恩人じゃよ」

レイヴン「おまえら……よくやったな」

ルブラン「こっ光栄であります!シュヴァ……レイヴン隊長殿!」

レイヴン「隊長ゆーな。俺様はただのレイヴンよ」

ルブラン「はっ!失礼しました。ただのレイヴン隊長!」

あきれるレイヴン。

ジュディス「尊敬されてるのね」

リタ「ほんと、想像つかないわ」

パティ「見かけによらないもんじゃの」

カロル「よかったね、ユーリ」

ユーリ「しぶとい奴らだっての忘れてた。心配するだけ無駄だったわ」

リョウ『の割には、えらく嬉しそうじゃねえか』

ユーリ「うるせ」

レイヴン「おまえら、元団長閣下を見なかったか?」

ルブラン「はっ、いえ我々は見ておりません。ただ外で親衛隊の話し声で、なにやら御剣の階梯(みつるぎのきざはし)のことを」

リタ「御剣の階梯?」

レイヴン「うちらが吹っ飛ばされた、あの高―い高いアレよ」

ジュディス「まだそこにいるってことね」

パティ「煙と極悪人は高いところに昇りたがるんじゃな」

ユーリ「だな。じいさん、あんたらはこのままここで隠れてくれ。行くぜ!」
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