SAO オレとボクの道

□最終話 オレとボクの道
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興治と木綿季が付き合い始めてから1年が経った。

木綿季はリハビリの甲斐あって、もう車椅子なしで歩けるようになるまでになった。
退院の日も近いと倉橋は言っていた。

そんな夏のある日ふたりは地元の夏祭りに来ていた。


「興治〜早く〜」


『そんなに走るな。こけるぞ』


「だいじょ〜ぶ。あ!おいしそうなわたがしだ」


木綿季は興治を置いて先へ行ってしまう。


『やれやれ……』


そんな木綿季に呆れつつも、内心元気に走り回る木綿季にどこか安心をした興治であった。


「おじさん。わたがしひとつ」


「あいよ!」


木綿季が屋台でわたがしを買っていると、少し遅れて興治がやってきた。


「興治遅い〜」


『木綿季が速いんだって……』


「お嬢ちゃん。ほい!わたがしできたよ」


「わ〜おいしそう」


屋台の店主からわたがしを受け取る。その時店主がふたりを見て


「おふたりさん兄妹かい?兄妹で夏祭りなんて仲が良いね」


「え……」


『オレたちは恋人同士なんだが……』


「そうだったのか!そりゃ失礼」


「ううん。気にしないで……行こう興治」


『あ、ああ』


言葉ではそういっているが、少しショックを受けた木綿季であった。





「……」


木綿季は先程までの元気はなく、暗い顔をして興治と一緒に歩いていた。


『さっき言われたことまだ気にしているのか?』


「え?う、うん。ボクたち恋人同士に見えないのかな?」


『だったらこうすればいい』


「え?うわ!?」


興治は突然、木綿季の手を掴み自分の方へ引き寄せる。
そして、ふたりは肩を並べて手をつないだ状態になった。


『これなら誰が見ても恋人同士だ/////』


「う、うん//////」


しばらくそのままで歩いていると


『そろそろ花火が上がる時間だな』


「どこで見る?」


『実はいい場所があるんだ』
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