SAO オレとボクの道

□第7話 突然の訪問者
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横浜のとあるアパートの一室


アバター名キョウこと沖田興治は仕事を終えて帰宅し、テレビを見ていた。


〖おもしろい番組は特にないか……〗


ピンポーン

インターホンが鳴った。


〖誰だ?こんな時間に……〗


興治はドアを開ける。そこには眼鏡をかけた男性が立っていた。


「沖田興治さんの部屋はここでしょうか?」


『はい。オレが沖田ですが……』


「夜分遅くにすいません。僕は横浜港北総合病院の医師の倉橋といいます」


横浜港北総合病院は興治のアパートから少し離れた場所にある病院である。


『オレになにか用ですか?』


「実はどうしてもあなたにお礼が言いたくて」


『お礼?』


興治は心当たりがないか考えるが、特に思い当たらない。


『まあ、とりあえず中へどうぞ』


とりあえず倉橋を部屋の中に案内する。そして、お互い椅子に座り


『オレは横浜港北総合病院に行ったことがないので、お礼を言われることに心当たりがないんですが?』


「そうですね……沖田さん。あなたは何ヶ月か前に骨髄を提供しませんでしたか?」


『はい。たしか3ヶ月くらい前だったような……ある不治の病の抗体があると聞いたんですが』


「その移植先は僕が担当をしている患者なんです。移植は成功して快方に向かっています」


〖ん?最近似たような話をどこかで聞いたような……〗


『ああ!それでその患者の代わりにお礼を言いに来たんですか?』


「いえ、本当はあることを確かめたくて訪ねたのです」


『あること?』


「沖田興治さん。あなたはALOをプレイしていませんか?」


『はい。していますけど……それが?』


「そして、アバター名はキョウ。違いますか?」


『そうですが……なんでアバター名を?』


「やはりそうでしたか……」


『?』


興治は混乱していた。なぜそんなことを聞くのか?なぜアバター名を知っているのか?だが、次の倉橋の言葉で分かることになる。


「あなただったのですね。紺野木綿季くんの命の恩人は」


『ゆう、き?』


興治はALO内で聞いたある言葉を思い出した。


3ヶ月ぐらい前だったかな?骨髄移植をしたんだ。そしたらボクの病気がほとんど治ったんだ。


〖木綿季……ゆうき……ユウキ!!〗


ガタッ


突然、興治は椅子から立ち上がり


『ま、まさか!?その患者は』


「はい。あなたがよく知っているユウキくんです」


『信じられない……こんなことが……』


「木綿季くんはよくあなたのことを話していました。それはとても楽しそうに。
骨髄の提供者の名前を見た時、沖田興治……興治……キョウ。木綿季くんが話していたキョウというプレイヤーなのでは?と思ったのです。ただの偶然だとも思ったのですが、どうしても確かめずにはいられませんでした」


『それでオレの所に?』


「はい。木綿季くんを助けてくれて本当にありがとう」


『いえ、オレはそんな……』


「もしよかったら木綿季くんに会いに来てください」


『じゃあ、明日仕事が休みなので明日行ってもいいですか?』


「もちろん!木綿季くんも喜びます」


そのあと倉橋と別れ、明日の準備をする興治であった。


To be continued
 

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