TOV 天を照らす銀河 第1章
□第8話 ノール港に到着
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謎の男、ダフィエルの襲撃から一夜明け、ノール港へ着いたリョウ達。ノール港へ近づいた頃から雨が降り始め、ノール港へ着いても止む気配はない。
『ノール港に着いたみたいだけど、いつまでふるんだこの雨…』
「びしょびしょになる前に宿を探そうよ」
カロルがそう提案してきたので宿を探そうとするが、エステルが立ち止ったままいるので、ユーリが
「どうした?エステル」
「あ、その、港町というのはもっと活気のある場所だと思っていました」
『それもそうだな…なんというか生気がないというか…』
「ノール港は厄介な場所なんだ」
「どういうことよ?ガキんちょ」
「ノール港はさあ、帝国の圧力が…「金の用意ができないときは、おまえらのガキがどうなるかよくわかってるいるよな?」
リタの問いにカロルが答えようとするが、男の声によって遮られる。声がする方へ見ると、傷だらけの男性が役人らしき男に土下座している。
「お役人様!!どうか、それだけは!息子だけは返してください。税金を払える状況でないことはお役人様もご存じでしょう?」
「ならば、早くリブガロって魔物を捕まえてこい」
「そうそう、あいつのツノを売れば一生分の税金納められるぜ。前もそう言ったろう?」
そう言うと、男達は去って行った。
「なに、あの野蛮人」
「カロル、今のがノール港の厄介の種か?」
「うん、このカプワ・ノールは帝国の威光がものすごく強いんだ。特に最近来た執政官は帝国でも結構な地位らしくて、やりたい放題だって聞いたよ」
『部下の役人もやりたい放題ってことか』
「そんな…」
エステルがそう言っていると、傷だらけの男性が立ち上がり、街の出口へ走り出すが、ユーリが突き出した足に引っかかって転んだ。
「痛っ…あんた何すんだ!!」
「あ、悪いひっかかっちまった」
「もう!ユーリ!…ごめんなさい。今、治しますから」
エステルは男性に治癒術をかけるが、傍にいた女性が申し訳なさそうに
「あ、あの…私たち、払える治療費が…」
「その前に言うことあんだろ」
「え…?」
「まったく、金と一緒に常識までしぼりとられてんのか」
「ご、ごめんなさい、ありがとうございます」
〖ユーリらしいっちゃユーリらしいのかな〗
リョウがそう思っているとユーリがいつもまにかいなくなっていたことにカロルが気付いて
「あれ…?ユーリは?」
『どこいったんだ?しゃーない捜してくるか…』
リョウはユーリを捜すことになった。