TOV 天を照らす銀河 第1章
□第6話 丘を越えて
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一行はエフミドの丘へ着いた。
「ここがエフミドの丘?」
「そう…だけど…結界がなくなってる」
『こんなとこに結界があったのか?』
「うん、来る時はあったよ。最近設置されたってナンが言ってたし」
「ナンって誰ですか?」
「えっとギ、ギルドの仲間だよ。ちょっと情報集めてくる!」
そう言い、カロルは先へ進んで行った。
「どうしたの?あのガキんちょ」
『さぁ?分かんねぇ』
少し先に進むと、壊れた魔導器が道をふさいでいた。それを見たリタはすぐにその魔導器に走って行った。
『あっ!ちょっと待てって、リタ』
すぐにリョウがリタを追いかける。
「あいつも大変だな…」
「でも、リョウ、楽しそうですよ」
「そうは見えねぇんだが…」
ユーリとエステルが話していると、カロルが帰ってきた。
「ふたりとも聞いて!それが一瞬だったらしいよ!ガツン!ドカン!って」
「何がどうだって?」
詳しく説明すると、竜に乗った者が槍で魔導器を壊したらしい。カロルがそう説明していると、リタとリョウが騒ぎを起こしているのに気付く。
「こんな変な術式の使い方して、魔導器が可哀想でしょ!」
『リタ、とりあえず落ち着けって』
リョウがリタに落ち着くように言うが。リタは聞く耳を持たない。すると、ぞろぞろと騎士がこっちに向かってくる。
『〖こうなったら…〗逃げるぞ!リタ!』
リタの腕をつかみ、ユーリ達の方へ走る。
「ちょっと、放しなさいよ!リョウ!」
『捕まったら、元も子もねぇだろ!』
「ふたりとも、こっちだ。」
ユーリ達と合流し、草むらに逃げ込む。
『あれ?そういえばカロルは?』
リョウはカロルがいないことに気付く。
「カロルなら囮になったぜ」
『そうか…カロル…おまえの死は無駄にしないよ…』
「勝手に殺さないでよ!」
そんなツッコミと共にカロルが草むらから出てきた。
『ははっ冗談冗談』
「バカっぽい…」
リタが呆れていると、入口の方から
「ユーリ・ローウェル!どこに逃げよったあ!」
「エステリーゼ様〜!出てきてくださいのであ〜る!」
「ユーリ、出てこ〜い!」
ハルルで戦った騎士達の声がしてきた。
『有名人だな、ユーリは、というより何者なんだあんたら』
「えと、わたしは…」
「そんな話はあとあと」
なにか事情がありそうなので、リョウはこれ以上聞かないことにした。
『で?これからどこいくんだ?俺達』
「ノール港だ」
「えと、どちらに向かえばいいんでしょうか?」
「方角的には…」
いちおう道らしきものの先を指さすカロル。
「これって獣道よね?進めるの?」
「行けるところまで行くぞ。捕まるのはたくさんだ」
「魔物にも注意が必要ですね。」
そして一行は魔物を倒しながら進んで行った。