TOV 天を照らす銀河 第1章
□第5話 旅立ち
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魔核ドロボウを追いかけるリョウ達。すると、遺跡内部の入口に魔物囲まれている。魔核ドロボウを見つけた。
「蒼破!!」
『魔神剣!!』
ユーリとリョウが魔物を追い払い、一行は魔核ドロボウを取り囲む。
「魔核を盗んで歩くなんてどうしてやろうかしら…」
「ひぃぃ!やめてくれ!俺は頼まれただけだ…。魔核を持ってくれば、それなりの報酬をやるって」
「おまえ、帝都でも魔核盗んだよな?」
「帝都?お、俺じゃねえ!」
「おまえじゃねぇってことは、他に帝都に行った仲間がいるんだな?」
「あ、ああ!デ、デデッキの野郎だ!」
「そいつはどこ行った?」
「今頃、依頼人に金をもらいにいってるはずだ」
「依頼人だと…。どこのどいつだ?」
「ト、トリム港にいるってだけで、詳しいことは知らねぇよ。顔の右に傷のある、隻眼でバカに体格のいい男だ」
「そいつが魔核を集めてるってことかよ…」
『なんか、その男、ただ者じゃなさそうだな』
「ただのコソ泥集団でもなさそうだ」
「騎士も魔物もやり過ごして行ったのに!ついけねぇ、ついてねぇよ!」
「騎士?やはりフレンが来てたんですね」
「ああ、そんな名前のやつだ!くそー!あの騎士の若造め!」
『「うっ(さい)〖せぇ〗」』
バギッ ドゴッ
「ぐふっ」
バタッ
リタのパンチとリョウの蹴りをくらい魔核ドロボウは気絶した。
「ちょ、リタ、リョウ、気絶しちゃったよ…どうすんの?」
「後で街の警備に頼んで、拾わせるわよ」
『俺達はコイツのせいでドロボウ扱いされたんだ。このぐらいしてもバチは当たんねぇだろ』
「それじゃあ、アスピオに戻るか」
シャイコス遺跡からアスピオへ帰る途中リョウはあることを思い出した。
『そういえばカロル、さっき俺に質問しかけなかったか?』
「あ!そうそう。なんでリョウは武醒魔導器使ってないのに技が使えるの?」
「俺も少し気になってた。なんでだ?」
「え?そうなんです?リョウ?」
『そのことか…まあ、気になるよな…でも、自分でも分からないんだ』
リョウは半年前のことを話した。自分が魔導器から出てきたこと、自分のことを憶えていないことを。
「そうだったんだ…」
「記憶喪失ってわけか…」
「わたし、人が入れる魔導器なんて初めて聞きました」
「記憶は戻ってきてるの?」
『いや、さっぱりだ…』
「あたしもその魔導器やリョウの力を調べてみたけど、分からないの。」
『まあ、そのうち思い出すだろ、なんかのキッカケで。』
そんな話をしている間に一行はアスピオへ着いた。