TOV 天を照らす銀河 第1章

□第3話 シャイコス遺跡へ
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リョウがリタの元で働くことになって半年が経った。


助手兼護衛として働いているのだが、護衛の仕事はまだしも助手としての仕事は家事や買い出しなどほぼ生活のための仕事である。


今日も食料の買い出しを頼まれてアスピオへ帰ったところである。


『ホイッ通行証』


「通ってよし」


リョウはアスピオの玄関口の騎士に通行証を見せ通してもらう。


『ったく、いちいち通行証見せるの面倒なんだよな』


リョウはそう文句を言いながらリタの小屋を目指す。


『そもそも、家事とか買い出しとか助手のする仕事なのか?まあ、リタのおかげで住む場は困ってないし…』


ブツブツ言ってると、リタの小屋の方からリタと長い黒髪の青年とピンク色の髪をした少女と
鞄を肩に掛けた少年と犬がこっちに向かって歩いてきた。


『あれ?リタ、どっか行くのか?えっと…あんたらは?』


リョウが問うと青年が


「お前こそ誰だよ?モルディオの知り合いか?」


『俺はリョウ・ゲキショウ。リタの護衛兼助手をしている者だ』


「なるほどな…お前が盗んだ可能性もある訳だな…」


『へ?盗む?何のこと?』


「とぼけんな。お前がモルディオと名乗って下町の魔核を盗んだんじゃねぇのか?」


青年はリョウに問い詰める。リョウはすぐに言い返そうとしたが、その前にリタが


「それはないわ。だってそいつ、帝都の行き方しらないわよ。」


『そうだ。帝都なんて行ったこともない』


「そういうことにしとくか」


そういうと青年はアスピオの出口の方へ向かっていった。


「あ、待ってよユーリ」


「ワン」


少年と犬はユーリと呼ばれた青年を追いかける。


『全く…何だよ、感じワリー奴』


「ごめんなさい!ユーリが失礼なことを言って」


今度はユーリと一緒にいた少女が謝ってきた。


『あんたが謝ることじゃねぇよ。それよりリタ、どういうことか説明してくれ』


「しょうがないわね…」


リタの説明によるとユーリの住む帝都の下町の水道魔導器(アクエブラスティア)の魔核が盗まれたらしい。その魔核ドロボウの名前がモルディオだと言う。


『なるほど。俺やリタを疑ってアスピオまで来たわけか』


「そういうこと。だから今からシャイコス遺跡へ行くわけ」


『ああ…盗賊団が現れた遺跡か』


「きっと、そいつらが絡んでいるわ。だから、買ったものを家に置いてきたらシャイコス遺跡へ来るのよ。あたし先に行ってるから」


と言いリタもアスピオの出口へ行った。


「何を買ったんです?」


『食料だよ。人使いが荒いんだから』


「助手の仕事も大変ですね」


『助手の仕事なのかな?これって…』


「申し遅れました。私エステリーゼって言います。エステルって呼んでください」


『じゃあエステルも先に行っててくれ。後で追いつくからさ』


「分かりました」


エステルもアスピオの出口へ行った。


リョウはリタの小屋へ買った物を収めてシャイコス遺跡へ向かった。
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