TOV 天を照らす銀河 最終章

□第78話 立ちはだかる友
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塔の頂上にはデュークの姿があった。周りには魔法陣が展開されている。

リョウ『デューク!』

リョウたちはデュークに近づく

デューク「おまえたち……」

リョウ『もう人の命を使って星喰みを倒す必要はない!エルシフルだってそんなこと望んじゃいねえ!』

デューク「エルシフル……」

リョウ『俺の知ってるエルシフルは……「黙れ!!」『デューク?』

デューク「おまえが知っているはずがないエルシフルのことなど」

リョウ『知ってるに決まってるだろ!俺はおまえの知っているリョウだ!』

デューク「リョウ・ゲキショウもエルシフルもこの世にはいない」

リョウ『たしかにエルシフルはもういない。でも、俺は……「黙れ偽者!」

デューク「それ以上私の友の名を口にするな……」

デュークは宙の戒典を手にしてリョウに向ける。

レイヴン「デュークのやつ頭に血がのぼっていやがる」

パティ「よっぽどリョウのことを認められないのか?」

リタ「そんな……」

デュークはリョウに向かって斬りかかる。
リョウは銀雪花を引き抜き受け止める。

リョウ『よく見ろデュークこれは銀雪花だ……俺にしか持てない太刀だ。お前も知っているだろ?』

デューク「……」

しかしデュークにリョウの声は届いていない。
デュークは一旦距離をとり再びリョウに向かって宙の戒典を突き出してきた。

リョウ〖いったいどうすれば……こうなったらいちかばちかだ〗

迫りくる宙の戒典、リョウはそれを……避けなかった。

ドスッ

リョウ『ぐあ……』

リョウは光子化をしなかったために宙の戒典が腹部に刺さり貫通した。腹部からは血が滴り落ちている。

エステル「リョウ!?」

エステルが治癒術をかけようとリョウのもとへ行こうとしたが、ユーリがそれを止める。
リョウはデュークの手を握る。

リョウ『辛かった……よな?この10年間……ごめんな……デューク』

デューク「リョウ……」

リョウ『でも……もうおまえが……辛い思いをする必要はない……あとは……俺たちに……任せてくれ……ないか?』

デュークは宙の戒典を引き抜いた。すぐさまリョウは光を吸収し傷を癒した。

デューク「その力は……銀河の皇の力……おまえはリョウなのか?」

リョウ『さっきから言ってるだろ?俺はおまえの知っているリョウだって』

デューク「私はなんてことを……」

リョウ『気にすんな。わかってくれればいいんだよ』

星喰みが鳴動し始めた。

リョウ『やべえ急がないと!』

ユーリ「ああ、やるぞ」

リタ「いくわよ……エステル、同調して。ジュディス、サポートお願い」

リタが術式を展開し、リョウたちの足下に魔法陣が現れる。

リタ「ユーリ!いくわよ!」

ユーリ「ああ!」

ユーリは天に向かって剣を掲げる。周囲に4体の精霊が現れ、世界中の魔導器が淡い光を放ちはじめ、その光がユーリの剣に集まっていく。
その光が星喰みに直撃するが、星喰みは消えない。

パティ「と、止まった!?」

カロル「まさか効いてないの!?」

リタ「そんなことない!あと少し足りない!」

フレン「まだ終わっちゃいない……!」

ユーリ「だめか……」

デュークはユーリに近づき、魔法陣を展開すると強い光が放たれた。その光はユーリの光と融合し、ユーリの剣はまるで巨大な羽のような光となる。そして一気に剣を振り下ろす。

いっけえ!!!!

光の剣は、星喰みを真っ二つにし、小さな光へと変わっていく。

エステル「精霊……」

カロル「あれ全部が!?すごい……」

リタ「星喰みになってた始祖の隷長がみんな精霊に変わったんだ……」

レイヴン「星喰みも世界の一部だった……そういう事ね」

ジュディス「綺麗……とても……」

パティ「じゃの!」

フレン「……やったな」

リョウ『ああ。でもまだ終わっちゃいない』

リョウは上空を見上げる。その先には黒い球体に包まれている城がある。

エステル「あの城に魔王ディエドが……」

リョウ『よし!あとは俺の仕事だな!』

カロル「でもどうやって行くの?」

突然リョウの身体が光り始め、光の球体に包まれる。そして宙に浮き始めた。

リョウ『なるほど。これで行くのか。じゃあちょっくら魔王倒してくるわ』

ユーリ「軽いなおい」

エステル「気をつけてくださいね」

カロル「リョウなら大丈夫だよ!」

パティ「頼んだのじゃリョウ!」

レイヴン「ちゃんと帰ってきてよ。もうこれ以上友だちを失うのはゴメンだからね」

ジュディス「あなたならできるわリョウ」

フレン「信じているよリョウ」

デューク「魔王はおまえしか倒せない。無力な私を許してくれ」

リタ「リョウ!!絶対に帰ってくるのよ!じゃないと承知しないから!」

リョウ『みんな……ありがとう。行ってくる!』

光の球体は速度をあげてディエド城へ向かって行った。
最後の戦いが始まる。

To be continued
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