TOV 天を照らす銀河 最終章

□第74話 希望に燃える街
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騎士団総本部では首脳陣が一堂に会し、今後の対策を話し合っている。

ナッツ「精霊……星喰み……デューク……魔王……」

カウフマン「世界中の魔核を精霊に変える……」

ヨーデル「……途方もない話ですね……」

ユーリ「信じがたいだろうがな。これが今のオレたちのぶつかってる現実だ」

フレン「魔導器がこの世からなくなる……結界もなくなる。大混乱になるな」

リョウ『このままだとデュークか星喰みか魔王にやられて一巻の終わりだ』

ハリー「選択の余地はないが……果たして受け入れられるか?」

エステル「誰も破滅の未来を望んでいないと思います。つらくても生きていれば前に進めます」

カロル「うん。だからボクたちはやるんだ」

首脳陣が本格的に話し始めると、リョウたちは部屋をあとにする。

フレン「最後まで立ち会わないのか?」

ユーリ「ああいうのはオレらの仕事じゃねぇだろ」

リタ「そうそう。お偉いさんがまとめれば良いんじゃない?」

ジュディス「彼らが思うよりも人々は今の生活から離れないと思うけれど。彼らはそれを整えるのが仕事。私たちの仕事は……」

リョウ『星喰みと魔王をぶっ潰してデュークを止める事だ』

フレン「そうか……。そういえばひとつ気になることが」

リョウ『ん?』

フレン「魔王ディエドは星喰みを操る存在なんだろう?」

リョウ『ああ』

フレン「でも星喰みの分体が街を襲ったのはノードポリカだけで原因は魔導器だった」

ユーリ「なにが言いたいんだ?」

フレン「なぜ魔王はなにもしないんだ?そもそも魔王の目的は何なのか気になってね」

リョウ『昔俺の両親から聞いた話だと、魔王ディエドは星喰みを操ってこの世界を支配しようとしたらしい』

カロル「もう星喰みは覚醒しているのに全然行動に起こそうとしてないよね?」

レイヴン「まだ力が完全に戻ってないとか?」

リョウ『いや、それはないな。ザウデを破壊したのは間違いなくディエドだ。あれほどの力でまだ戻ってないとは考えにくい』

フレン「じゃあなぜ?」

リョウ『そこんとこは本人に会った時、聞いてみるわ』

リタ「聞いてみるって……」

リョウ『ディエドのもとへ行けるのも倒せるのも俺だけだからな』

ジュディス「その前に星喰みとデュークをなんとかしないとね」

リョウ『そういうこと』

カロル「ボクらもがんばらなくっちゃ!」

リタ「でも世界中の魔核にアクセスする方法が……」

ウィチル「それなんですけど……。アレクセイやバルボスの残した研究成果の中に、魔導器間のネットワークを構築するみたいな記述が……」

リタ「本当!?それ今どこにあるの!?」

ウィチル「これですが……」

リタはウィチルから渡された本を読む。

リタ「いけるわ!!これなら魔核を精霊に変えることができるわ!!」

リョウ『やったなリタ!』

リタ「問題は時間がないことね。ネットワーク作るのと、収束する用意は同時にやらないと」

ウィチル「ネットワークの構築は僕がします。アスピオからの避難者もいるし」

レイヴン「学者だけじゃ護衛が必要だろ」

フレン「そこは騎士団がやりましょう」

ソディア「命に換えても守り抜きます」

リタ「あとは精霊の力が確実に星喰みに届くようにできるだけ近づいて、明星壱号を起動させるだけよ」

ユーリ「つまり、あそこだな」

全員がタルカロンの塔を見上げる。

ジュディス「……タルカロンの塔、ね」

レイヴン「デュークの根城か」

リョウ『必ず止めてみせる……』

ユーリ「そうだな。タルカロンをぶっ放させる訳にもいかない」

カロル「避けては通れないんだね。あそこに行くのは」

リタ「それじゃ、あたしとリョウは明星壱号の修理に取り掛かるわね」

リョウ『そういえば壊れてたっけ?明星壱号』

ユーリ「頼むぜ。できれば明日には出発したいからな」

To be continued
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