TOV 天を照らす銀河 最終章

□第66話 ウンディーネ
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ゾフェル氷刃海 エアルクレーネ


ふたたびゾフェル氷刃海へ訪れたリョウたち。

レイヴン「寒い寒い」

ユーリ「んで、エアルクレーネでどうしようってんだ?」

リタ「エステルの力と聖核を使って、エアルでも物質でもないマナっていうのを作るの」

エステル「マナ……」

リタ「でもその方法は危険なの……」

エステル「それでもわたしはやります!」

リョウ『俺たちに何か手伝えることはあるか?』

リタ「あるけど……危険なのよ?」

カロル「ボクたちだけ見てるなんてできないよ!」

パティ「水臭いのじゃリタ姐!」

リタ「わかった……じゃあみんなあたしの言う通りにして」

リタは聖核をエアルクレーネの近くに設置し、魔法陣を展開する。

リタ「あたしの術式に同調して。そう……いいわよ」

リョウ『思ってたよりきついなこれは……』

リタ「もう少しよ……がんばって」

不意に聖核が閃光を放ち、エステルの身体が光りはじめる。

エステル「きゃあ!?」

ユーリ「なんだ!?」

リタ「聖核を形作る術式!?勝手に組み上がって再構成してる……?」

聖核の周囲に水流が発生し、その場に何者かが現れる。

「わらわは……」

ジュディス「その声……ベリウス!?」

「ジュディスか。ベリウス、そうわらわ……いや違う。かつてベリウスであった。しかしもはや違う」

リタ「まさか、聖核に宿っていたベリウスの意思が……?すごい……」

「すべての水がわらわに従うのが分かる。わらわは見ずを統べる者」

レイヴン「なんかわからんけど、これ成功なの?」

リタ「せ、成功っていうかそれ以上の結果……まさか意思を宿すなんて」

「人間よ、わらわは何であろう?もはや始祖の隷長でもなければベリウスでもないわらわは。そなたらがわらわを生み出した。どうか名前を与えて欲しい」

ユーリ「物質の精髄を司る存在……精霊なんてどうだ?」

「して我が名は」

カロル「ざぶざぶ水色クイー……」

…………

カロルはリョウたちの反応を見てうつむく。

エステル「古代の言葉で水を統べる者……ウンディーネ、なんてどうです?」

ウンディーネ「ウンディーネ……ではわらわは今より精霊ウンディーネ」

リョウ『ウンディーネ!俺たちは世界のエアルを抑えたい。力を貸してほしい』

ウンディーネ「承知しよう、だがわらわだけでは足りぬ。他の属性を統べる者もそろわねば十分とはいえぬ」

リタ「物質の基本元素、地水火風……最低でもあと三体か……」

レイヴン「それってやっぱり始祖の隷長をなんとかするしかないってこと?」

パティ「素直に精霊になってくれるといいんじゃがの」

ジュディス「もう存在している始祖の隷長も数少ないわ」

ユーリ「ウンディーネ心当たりはないのか?」

ウンディーネ「輝ける森エレアルーミン、世界の根たるレレウィーゼ。場所はそなたの友バウルが知っておろう」

ユーリの問いに答えると、ウンディーネは姿を消した。

カロル「消えちゃった!」

エステル「いえ、……います。感じます」

リタ「ウンディーネがエステルの力を制御してくれてる……」

リョウ『エステルは自由になったんだな』

リタ「ええ……ええ!」

ユーリ「エステル。よかったな」

To be continued
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