TOV 天を照らす銀河 最終章
□第63話 これからのこと
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ユニオン本部
リョウ『なんか騒がしいな』
カロル「うん……ユニオンは今、バラバラだから……」
レイヴン「誰もドンの後釜に座りたくないのよ」
レイヴンがハリーを連れて戻ってきた。
レイヴン「なんせあのドンの後だからねえ。ほれ、しゃんとしなって」
ハリーが前に姿を現す。
ハリー「オレはじいさんを死に追いやった張本人だ。そんなやつがドンみたいになれる訳がねえだろ」
レイヴン「誰もあのじいさんみたくなれなんていってないでしょうが。跡目会議くらいちゃんと出とけって言ってんの」
リタ「ねえあんた、ドンの聖核を譲ってほしいんだけど」
リョウ『いきなりだな……』
ハリー「あれはドンの跡目継いだやつのもんだ。よそ者にはやれねえよ」
リタ「なによそれ。それじゃいつその跡目が決まるのよ」
ハリー「知らねえよ。オレに聞かないでくれ」
パティ「なら誰に聞けば、教えてくれるかの?」
ユーリ「ったくしょうがねえな。ユニオンがしっかりしなきゃ誰がこの街を守るってんだよ」
ユーリの言葉に、ユニオン幹部のひとりが名乗り出たが、他の幹部が突っかかってきて言い争いを始めた。それを見たリョウは
リョウ『仲間内で争ってどうすんだ?自滅する前にドンの木彫り作ってその椅子に座らせた方がましだな』
ユーリ「同感だな」
幹部A「なんだと……」
リョウたちに緊張感が走る。するとカロルが間に割って入り
カロル「仲間に助けてもらえばいい。仲間を守れば応えてくれる。ドンが最後にボクに言ったんだ」
ユーリ「カロル……」
幹部A「なんだぁ?このガキ」
リョウ『いいから黙って聞いてろ』
カロル「ボクはひとりじゃなんにもできないけど仲間がいてくれる。仲間が支えてくれるからなんだってできる。今だってちゃんと支えてくれてる。
なんでユニオンがそれじゃ駄目なのさ!?」
レイヴン「少年の言うとおり、ギルドってのはお互いに助け合うのが身上だったよなあ。無理に偉大な頭を載かなくても、やりようはあるんでないの?」
ユーリ「これからはてめぇらの足で歩けとドンは言った。歩き方くらいわかんだろ?それこそガキじゃねぇんだ」
幹部A「……」
幹部B「簡単に言うが、しかし……」
ユーリ「行こうぜ。これ以上、ここにいてもなにもねえ」
リョウ『時間を無駄にするだけだしな』
リタ「え、ちょっと!」
リョウたちはユニオン本部を後にした。
リタ「……どうすんのよ、聖核は!」
ユーリ「あんな連中に付き合っている暇あったら他の手考えた方がマシだ」
リタ「他にって、そんな簡単なもんじゃないでしょうに……」
リョウ『大丈夫だってリタ。俺とおまえが力を合わせればなんか思いつく……たぶん』
リタ「たぶんって……」
「おい」
声がした方を向くとハリーが立っていた。
リョウ『ハリーじゃねえか。何か用か?』
ハリー「……ほらよ」
ハリーは蒼穹の水玉をユーリに投げ渡す。
ユーリ「こいつは……くれんのか?」
ハリー「馬鹿言え、こいつは盗まれるんだ」
カロル「え?」
ユーリ「……恩に着るぜ」
ハリー「他の連中に気取られる前に、さっさと行っちまいな」
レイヴン「どういう風の吹き回しよ?」
ハリー「さあな。けど、子どもに説教されっぱなしってのも、なんかシャクだからな」
そう言うとハリーはユニオン本部へ帰って行った。
レイヴン「あいつも少しは変わったかね」
ジュディス「これで聖核も手に入った訳だけど、次はどうするのかしら?」
リタ「うん、ゾフェル氷刃海に行くわ。活性化していないエアルクレーネを使うの」
リョウ『氷刃海へ行く前に寄って欲しいところがあるんだけど』
ユーリ「どこに行くんだ?」
リョウ『俺とリタが初めて会った森、あそこで俺の過去を話すよ』
パティ「ということは記憶が戻ったのか?」
カロル「そうなの!?」
リョウ『ああ、みんなが集まってから話そうと思ってたんだ』
遂に明かされるリョウの過去
To be continued