TOV 天を照らす銀河 第3章

□第49話 哀しき戦い
1ページ/1ページ

リョウ『嘘だろレイヴン……嘘だと言ってくれよ!!』

フレン「騎士団長だけでなくあなたまで……なぜです!」

シュヴァーン「俺の任務はおまえたちとおしゃべりすることではない」

シュヴァーンは剣を抜く

ユーリ「ばっかやろうが!」

シュヴァーン「帝国騎士団隊長首席シュヴァーン・オルトレイン、……参る」

キイィン

シュヴァーンはリョウに斬りかかる。リョウは銀雪花で防ぐ

リョウ『なんで……なんでだよ!!レイヴン!!』

リョウは涙を流していた。

シュヴァーン「俺はレイヴンなどではない……」

リョウはシュヴァーンの剣を弾き、距離をとる。

ユーリ フレン「「うおおおおおおお!!」」

ユーリとフレンがシュヴァーンに突っ込むが

シュヴァーン「はあ!」

ユーリ フレン「「ぐわあ!」」

シュヴァーンの一撃で弾き飛ばされる。

シュヴァーン「これで終わりだ!!ブラストハート!!」

シュヴァーンの心臓から巨大なエネルギーが放出され、リョウ達は吹き飛ばされた。

シュヴァーン「これで……終わった……」

土煙が充満する中シュヴァーンはそう呟いた。

リョウ『うおおおおおおお!!』

シュヴァーン「なに!?」

突然、土煙の中からリョウが現れシュヴァーンに斬りかかる。
突然のことで防御することができなかったシュヴァーンは強力な一太刀をくらった。

シュヴァーン「ぐう」

リョウ『!?』

リョウの一太刀で、シュヴァーンの胸部の鎧が剥がれ落ちた。
そこには魔導器が姿をのぞかせていた。

シュヴァーン「今の一撃でもまだ死なないとは……因果な体だ……」

ユーリ「リョウ!大丈夫か?」

倒れていた仲間達が集まる。

リタ「魔導器……胸に埋め込んであるの!?」

ジュディス「……心臓ね。魔導器が代わりを果たしている」

シュヴァーン「……自前のは10年前になくした」

カロル「10年前って……人魔戦争?」

シュヴァーン「あの戦争でオレは死んだはずだった。だが、アレクセイがこれで生き返らせた」

パティ「あの男、そんなことまでしとったのか……」

ジュディス「それもヘルメス式ということ?なぜバウルは気づかなかったの……?」

シュヴァーン「多分、こいつがエアルの代わりに、俺の生命力で動いているからだろう」

リョウ『生命力で動く魔導器……』

ゴゴゴゴゴゴゴ

神殿が大きく揺れた。

カロル「何!?」

リョウ『入口が塞がれた!!』

シュヴァーン「……アレクセイだな。生き埋めにするつもりだ」

フレン「馬鹿な、あなたがいるのに」

シュヴァーン「今や不要になったその剣さえ始末できればいい、そういうことだろう」

リョウ『それでエステルを使ってデュークを誘き寄せたのか……クソッ』

リタ「ちょっと、おっさん!なんでそんなに落ち着いてんのよ!」

シュヴァーン「俺にとってはようやく訪れた終わりだ」

リョウ『まさか……初めから生きて出るつもりがなかったのかよ……』

フレン「シュヴァーン隊長……」

リョウ『なんて面してんだよ……』

リョウはシュヴァーンの胸ぐらを掴む

リョウ『てめえ!!そんな面でこのまま死んでいくつもりか?そんな腑抜けた面で精一杯生きたってあいつら……キャナリ達に自信をもって言えるのか?ふざけんじゃねえ!!ぶん殴られるぞ!!』

シュヴァーン「……なんで?キャナリのことを?」

リョウ『戦ってる最中に思い出したんだ。少しだけ10年前のことを……俺はおまえの知っているリョウ・ゲキショウだ』

シュヴァーン「なんでおまえは変わってないんだ?」

リョウ『その辺はまだわからねえ。とりあえず今はここを出よう』

シュヴァーン「ああ……」

シュヴァーンは埋もれた入口を弓矢で爆破する。

パティ「危ない!!」

神殿内の天井が崩れはじめている。

ユーリ「間に合わねえ」

天井が崩れ落ちてきたが、シュヴァーンが支えていた。

カロル「レイヴン!?」

リタ「ちょっと!生命力の落ちているあんたがいま魔導器でそんなことしたら!」

シュヴァーン「長くは保たない……早く脱出しろ」

ユーリ「おっさん!」

シュヴァーン「アレクセイは帝都に向かった。そこで計画を最終段階に、進めるつもりだ。あとは……おまえたち次第だ」

カロル「レイヴン!レイヴン!」

リョウ『……行くぞ、カロル』

カロル「でも!」

リョウ『行くんだ!』

カロル「……」

リョウ以外が部屋を脱出した。

リョウ『すまねえ……ダミュロン』

リョウも部屋を脱出した。

シュヴァーン「ダミュロン……まだその名前で呼んでくれる奴がいたとはな……」



あんたも面白い武器使ってるんだな

も?ってことはおまえキャナリと知り合いか?

ああ、まあな。知り合いならキャナリ隊の中に何人かいるぜ。あんたの名前は?

ダミュロンだ。

いい名前だな俺はリョウ。リョウ・ゲキショウだ。



シュヴァーン「走馬燈ってやつか……あいつ全然変わってなかったな……」

そして部屋は崩壊した。

To be continued

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ