TOGf 守護の双刃

□第1話 悲劇の始まり
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惑星エフィネアの国家フェンデルの山奥にあるアンマルチア族の里、そこにある白髪の少年が地面に座って溜息を吐いていた。


『はあ、くそっまた負けた。どうして俺は勝てないんだ!!』


悔しさのあまり大声をだす少年。すると、髪の先が赤い白髪の少女が少年に近づき


「なに大声出してるのファクト?」


ファクトと呼ばれた少年は少女を見るが


『なんだ、パスカルか……』


「なんだとはなによ。ぶ〜」


パスカルと呼ばれた少女は頬を膨らます。しかし、ファクトは無視をする。パスカルはファクトの隣に座り。


「無視しないでよ〜ねえねえどうしたの?」


『うるさい、ほっといてくれ』


そっけなく返すファクト。


「もしかして、また負けたの?おじさんに」


ファクトの肩がびくりと跳ねた。図星である。


『……そうだよ。また負けたんだよ親父に……』


ファクトの父親は剣の達人であり、父親のある物を賭けてよく勝負するが勝ったことは一度もない。ちなみに、ある物というのは父親の持っている家宝「白刀・白夜」という刀である。ファクトはその対となる家宝「黒刀・残夜」という刀を持っている。


「い〜じゃん。黒い刀だけでも」


『よくない!親父に認めてもらうには勝たなくちゃいけないんだ!その証が白刀・白夜なんだ!そうすれば、親父も俺を狩りに連れてってくれるはずだ!』


パスカルの言葉に反論するファクト。


「でも、意外だね。おじさんと勝負し続けてる理由って手伝いをしたいからだったんだ」


ハッと我に返るファクト、まだ誰にも自分の父親に勝負している理由は誰にも言ったことがなかったのだ。


『ああ…まあ…母さんが早く死んで、男手ひとつで育ててくれたんだ……手伝いくらいしてもいいだろ……』


「父親思いなんだねファクトは」


パスカルはニヤニヤしながら言う。


『……このことは絶対に誰にも言うなよ……』


「う〜ん。どうしよっかな〜バナナでも食べたら口が堅くなるかも〜」


『どんな口なんだそれは……』


「誰かに言っちゃおうかな〜」


『分かった分かった。おごってやるから黙っててくれ……』


「いぇ〜い!やった〜!トロピカルヤッホ〜!」


〖どんだけバナナが好きなんだこいつは……〗


ファクトはパスカルのはしゃぎっぷりに呆れつつバナナを買いに行こうとしたその時


ドォォォォォン


突然の爆発音が里中に響き周りの人達がざわつきはじめる。


〖俺の家の方から聞こえたような……〗


ファクトは急いで家へ向かって走りだした。


「待ってよ、あたしも行く」


パスカルもファクトを追いかける。
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