TOV 天を照らす銀河 第2章
□第46話 罪を受け継ぐ者
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リョウ達はミョルゾに降り立つと、何人かのクリティア族が、やって来た。
男性「こりゃ驚いた。外からひとがやって来たぞ!」
クリティア族の女性がバウルを見て
女性「この魔物ひょっとして、始祖の隷長かい?」
ジュディス「バウルよ。忘れてしまったの?」
女性「あなたジュディス?」
ジュディス「そうよ。長老さまに会いたいのだけれど」
女性「長老さまなら散歩しているかもしれないわ」
ジュディス「そう、分かったわ。とりあえず、街の広場まで行きましょう」
街の広場までやって来たリョウ達はあるものを見つける。
リタ「あたしの知らない魔導器がたくさんある……」
リョウ『魔導器を作った民ってことは本当みたいだな』
カロルは地面に置いてある魔導器を見て
カロル「動いてないね……」
リョウ『魔核がないからな』
ジュディス「この街は魔導器を捨てたの。ここにあるのはみんな大昔のガラクタよ」
カロル「どういうこと?」
???「それがワシらの選んだ生き方だからじゃよ」
年老いたクリティア族の男性が、近づいてきて言う。
ジュディス「お久しぶりね。長老さま」
長老「外が騒がしいと思えば、おぬしだったのか。戻ったんじゃの」
ジュディス「この子達は、私と一緒に旅をしている人達」
長老「ふむ。これは……魔導器ですな。もしや使ってなさる?」
ユーリ「ああ。武醒魔導器を使ってる」
長老「ふむ。ワシらと同様、地上の者ももう魔導器は使うのをやめたのかと思うていたが……」
エステル「ここの魔導器も、特別な術式だから使ってないんです?」
長老「魔導器に特別も何もないじゃろ。そもそも魔導器とは聖核を砕き、その欠片に術式を施して魔核とし、エアルを取り込むことにより……」
リタ「ちょ!魔核が聖核を砕いたものって!?」
長老「左様、そう言われておる。聖核の力はそのままでは強すぎたそうな。それでなくても、いかなる宝石よりも貴重な石じゃ。だから砕き術式を刻むことで力を抑え、同時に数を増やしたんじゃな。魔核とはそうして作られたものと伝われておる」
ユーリ「……皮肉な話だな」
カロル「魔導器を嫌う始祖の隷長の生み出す聖核が、魔導器を作り出すのに必要だなんて」
レイヴン「フェローが聖核の話をしなかったのは、触れたくなかったから…かもねぇ」
ジュディス「長老さま。もっと色々聞かせてもらいたいの」
ユーリ「オレ達は魔導器が大昔にどんな役割を演じたか調べているんだ。もしそれが災いを呼んだのなら、どうやってそれを収めたのかも。ミョルゾには伝承が残ってるんだろ?それを教えてくれないか?」
長老「ふむ。いいじゃろ。ここよりワシの家にうってつけのものがある。ついてきなされ」
リョウ『聖核、魔導器、エアルの乱れ、始祖の隷長……いろいろ繋がってきたな』
リタ「伝承ってのを聞いたら、もっといろいろ繋がってくるかも」