TOV 天を照らす銀河 第2章
□第30話 なぞの箱
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出口を探すリョウ達は船長室らしき場所に入った。
カロル「ひぃ……!」
カロルが何かを見つけて驚いている。
リョウ『どうした?カロル?これは……』
白骨が椅子に座っているのを見つけた。
リョウ『レイヴン……こんなところで寝ていたら風邪引くぞ』
レイヴン「俺様ここ!!勝手に殺さないでちょうだい!!」
リョウ『冗談だって』
ユーリ「バカやってないで、この辺りを調べるぞ」
エステル「ユーリ、これ日誌でしょうか?」
ユーリ「なになに……アスール暦232年、ブルエールの月13?」
エステル「アスール暦もブルエールの月も帝国ができる前の暦ですね」
リタ「千年以上も昔、か……」
リョウ『えらい古い船なんだな……』
エステル「読んでみますね。船が漂流して40日と5日、水も食糧もとうに尽きた。船員も次々と飢えに倒れる。
しかし私は逝けない。ヨームゲンの街に、澄明の刻晶(クリアシエル)を届けなくては。魔物を退ける力を持つ澄明の刻晶があれば、街は助かる。
澄明の刻晶を例の紅の箱に収めた。ユイファンにもらった大切な箱だ。彼女にももう少しで会える。みんなも救える。……でも結局、この人は街に帰れず、ここで亡くなってしまわれたんですね……」
パティ「千年もの間、この船は広い海をさまよっておったのじゃな」
カロル「ボク、ヨームゲンなんて街、聞いたことないなあ……」
リョウ『そもそも、千年以上前のことだ。その街があるかどうか……』
ユーリ「そうだよな。澄明の刻晶ってなんだ?」
リタ リョウ「『知らない』」
レイヴン「……魔物を退ける力ねえ」
ジュディス「結界みたいなものじゃないかしら」
リョウ『たぶん、これだろ』
リョウは白骨が赤い箱を抱えているのにきづく、そして
リョウ『えいっ』
バキッ
リョウはためらいもなく白骨の腕を折り、赤い箱をとる。
リョウ『レイヴン、パス』
リョウはレイヴンに赤い箱(白骨の腕がついたまま)を渡す
レイヴン「ちょ、ちょっと腕はいらないって」
レイヴンは腕を取って、赤い箱を開けようとするが
レイヴン「あれ、開かないぞ……」
カロル「か、か、鏡……」
突然、カロルが鏡に指をさす
リョウ『どうしたカロル?鏡にとんでもないものが映って……るな、おい』
鏡に髑髏の騎士が映っていた。
リョウ『出てくるぞ!!』
髑髏の騎士は鏡から出てきた。