美術館の世界(長編)

□第2話
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『ん…ここは…?』

ゆっくり目を開くと、壁も床も真っ白な部屋にいた。

真っ白な部屋の中央には、真っ白いテーブルが置いてあり、その上にはピンク色の薔薇が花瓶に生けてあった。

そう言えば、確かゲルテナ作品にも大きな薔薇のやつあったっけ…

“精神の具現化”というタイトルだったような…

あの作品と何か関係あるのかな…

色々考えたが、私はその薔薇を花瓶から抜き取ることにした。

なんとなく、持っていなければいけない気がしたからだ。

『…あれ?いつの間にドアが…』

テーブルの向こう側に黄色のドアがあった。

薔薇に気を取られていて、気がつかなかったのかな…?

でも、こんな真っ白な部屋で気づかない筈がないよなー…

『…って、考えるだけ無駄か〜…ん?』

ドアには貼り紙があった…何々?

『“そのバラ朽ちるとき貴女も朽ち果てる”…?』

うへぇ…何これ…どゆこと…

『“バラとあなたは一心同体 命の重さ知るがいい”…か』

命…?

なんか…よくわからないなぁ…

何がなんだか分からないままだったが、私は部屋を出る事にした。
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