進撃の世界(長編)
□第4.5話
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エルヴィンに頼まれ、サクラを部屋に連れてきたのはいいが…
先程からボーッと立ったままで反応がない。
「…おい」
『………』
「おい、聞こえねぇのか」
『…ふぇ!?い、いひゃい!!はらひへ!!』
反応がないので、頬を両側から引っ張ってみる。
何かを訴えているようだが、よく分からない。
多分、離してくれと言っているのだろう。
だが…
「てめぇがボーっとしてるからだろ。」
『ご、ごえんなはい…』
「…ふん」
仕方なく離すことにした。
サクラは、引っ張られたところを摩っている。
『…手加減ってものを知らないのかなぁ…』
「何か言ったか?」
『いいえ!何も!』
手加減なしでやったら、そんなもんじゃすまねぇがな
『あ、えっと…なんでしたっけ…?』
狙っているのか、それとも無意識なのか…
サクラは上目遣いで、恐る恐る用件を聞いてきた。
「…風呂に入ってこい」
『…へ?』
「聞こえなかったのか?風呂に入ってこいと言ってるんだ」
『え…なん…で』
「なんで、だと?二日も風呂に入ってねぇやつと誰が一緒に『わかりました!わかりましたから!入ってきますから!』…ったく」
理由を聞く方がおかしいだろ。
常識的に考えて分かるだろうが…。
「そこが風呂場だ。…これ持っていけ」
『あ、ありがとうございます…』
サクラはタオルと服を受け取り、お礼を言って、お風呂場に向かった。