進撃の世界(長編)
□第3話
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「さて、サクラ。」
『はい』
「まず、君はここらじゃ見ない珍しい格好をしているな。“日本”という所ではそれが普通なのか?」
『はい…私の国では、エルヴィンさん達のような格好をしている人は多分いません…』
「そうか…。君は巨人を見た事がない、と言っていたが…君の国では巨人は存在しないのか?」
『はい…存在というか…聞いたこともないです…』
そう言うと、そんな…!!とハンジさんは目を見開き驚いていた。
「ふむ…、では何故…この世界に来たんだ?」
『わ、分かりません…。階段から落ちて…気がついたらここに…』
目に涙が溜まっているのがわかる。
元いた世界に帰りたい…
「階段から落ちて、空から降ってくるわけねぇだろ。…それこそ、空の上に“日本”がねぇ限りな。」
私にそう言い放ったリヴァイさんを思わず睨みつける。
『私は嘘なんてついてません!!』
叫んでしまった。
『…私だって落ちたくなかった…好きで落ちたわけじゃないんですから…』
「…一体何があったの?」
ハンジさんが、私にハンカチを差し出しながら、聞いてきた。
そして、私はリヴァイさんと出会うまでの経緯を全て話した。