進撃の世界(長編)
□第3話
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「………そんな事が。」
最初に口を開いたのはハンジさんだった。
『…手が…あと少し…。そうすれば私は…』
落なかったのに…と呟く。
そして、私は自分の手を力強く握り締める。
「…あんまり強いと血が出るぞ」
そう言って、リヴァイさんは私の手を優しく包み込んだ。
「サクラよ、お前は確かに階段から落ちたかもしれない。だが、死んでねぇだろ。」
『っ………』
下唇を噛み、涙を堪える。
そんな私にハンジさんは
「そうだよ。サクラは違う世界に来ちゃっただけ。もしかしたら、元の世界に帰れる方法があるかもしれないよ!」
と言ってくれた。
その言葉にハッとする。
元の世界に帰れる方法があるかもしれない…
希望が湧いてきた。