進撃の世界(長編)
□第3話
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「…ならば、帰れるまでここにいるといい。」
今まで黙っていたエルヴィンさんが口を開き、そう言った。
「………だが」
『だが…?』
「少し、頼みがある…。」
頼み…?、と私は呟いた。
どんな頼み事なのだろうか。
「サクラ、君は巨人を消す力があるらしいね。」
『え!?』
「え!?ってお前…自覚なかったのか?」
リヴァイさんが呆れた顔で言った。
確かにいなくなってたけど…
まさか消していたなんて…
「…実験させてもらえないか?」
『じ、実験!?い、嫌です!!』
そう叫ぶとハンジさんが私の肩を掴み、真剣な顔で話してきた。
「た、頼むよ!君の…その力の原理が分かれば、人類を救えるかもしれないんだ…!!」
『…………っ!?』
私が協力すれば…
この世界の人を救えるかもしれない…?
そうか…この世界の人は巨人に怯えながら暮らしているんだ…。
『で、でも………』
「お、お願いだよ!!」
掴んでいる手に力が入るせいか、少し痛い。
だが、それだけ必死なのが伝わる。
でも…