*紅鬼蝶

□ジジイになっても あだ名で呼び合える友達を作れ
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「俺が以前から買い溜めていた大量のチョコが姿を消した

食べた奴は正直に手ェ挙げろ
今なら四分の三殺しで許してやる」

ダラダラとくつろぐ私達の前に現れた兄貴
いつもの死んだ魚の目とは違って
瞳孔全開だった

これはマジで怒ってるな…




「四分の三ってほとんど死んでんじゃかいスか」



『それに、兄貴も溜めておくから、食べられるんじゃないの?』



「俺は、ちゃんと“銀ちゃんの”って全てのチョコの包みに書いといたんだ。
これは、れっきとした犯罪だ」




「またも狙われた大使館
連続爆破テロ凶行続く…」

兄貴の言葉になんて、耳を貸さず
鼻汁を垂らしながら新聞を見つめる神楽




「物騒な世の中アルな〜
私恐いヨ パピー、マミー」






「恐いのはオメーだよ
幸せそーに鼻血垂らしやがって
うまかったか 俺のチョコは?」

神楽の口を手で摘まむ兄貴を
真っ直ぐ見つめる神楽
反省はしてないようだ


「チョコ食べて鼻血なんて
そんなベタな〜」








「 とぼけんなァァ!!
鼻血から糖分の匂いがプンプンすんぞ!!」


「バカ言うな
ちょっと鼻クソ深追いしただけヨ」



「年頃の娘がそんなに深追いするわけねーだろ
定年間際の刑事かお前は!!」


「喩えがわかんねーよ!!」




『新八 ツッコミ入れてないで
兄貴を止めろ!!』





ギャーギャー騒がしい万事屋
だが、それに負けないような音が下から聞こえた








ドカンッ






「なんだなんだオイ」

玄関を出て外に行くと
万事屋銀ちゃんの下。
お登勢の店に宅配バイクが突っ込んでいた





『ありゃー。
これは、あの配達員 ババァにボコされるぞ』


そんな事をいいつつ、万事屋一同はお登勢の様子を見に行く

案の定。お登勢は配達員をシメていた







『ちょ、ババァ!
そのへんにしといてあげなよ!』


「そうですよ!
怪我人相手にそんな!!」


私達は、配達員に駆け寄る
出血はしてないようだが、
かなりの重傷だ






「…こりゃひどいや

神楽ちゃん救急車呼んで」







「救急車ャャァアア!!」

大声で叫ぶ神楽の頭を軽く叩く


「誰がそんな原始的な呼び方しろっつったよ」







私は、兄貴達がそんなやり取りをしてる間に、散らばった郵便物を拾い集める




「飛脚かアンタ
届け物エライことになってんぞ」

そう言って、兄貴が一枚の手紙を手に取る












「こ…これ…


これを…俺の代わりに
届けてください…お願い」


途切れ途切れに言う配達員は、
一つの宅配物を私達に向ける







「なんか大事な届け物らしくて
届け損なったら俺…クビになっちゃうかも




お願いしまっ…」


兄貴が受け取った瞬間、力つきたかのように気を失う配達員




受け取った荷物を四人はマジマジと見つめ、目を合わした
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