*空回りの運命線

□修学旅行は行く前が一番楽しい
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『おぉー』

最初に発した言葉は、あまりにありきたりででも、その光景を言葉に表すことができなかった

本当に穴場なんだな
誰一人いなく、朝掃除したのだろうモミジはあまり落ちてない
こんなところがなぜ観光スポットにならないのかがおかしい
いや、ここに人がたくさんいたら風情が台無しだ


私は、そう思い石段に腰かけた

木漏れ日がさすお昼時
そして鳥の声とモミジのカサカサと鳴る音しか聞こえないこの状況で眠くならないはずかない
昨日は楽しみにしすぎて眠るの遅かったし…

どーせ、夜ご飯は六時だ。
少し寝てもおこられないよね




私は瞼を閉じ、秋風を浴びながら寝ようとした時



「こんにちは」

フッと声がした
誰かが私の前に立って話しかけてきた
でも、私は瞼を開けられないでいた



「貴方は旅館の人ですか?
僕、ここに初めてきたんです

いい穴場ですよね」

私は、ねむくなる瞼を開け、顔を上げた
その瞬間 氷ついた
気さくに話しかけてきた相手も笑顔を歪める







そこにいたのは

憎んでも憎みきれない

最悪で災厄の敵







ー 桂 小太郎の姿だった










「お前は!!

真選組の舞川紅!!
何故お前がここに」



『お前こそどーゆうつもりだ!?

私達は今、休暇中
ぬけぬけと現れやがって』

バチバチと火花を散らす
バカツラは、真選組と知らずに話しかけてきたらしい
本当に間抜けな野郎め





「ふん!
休暇中だからこそ狙うのだ

お前らが呑気にしてる間に暗殺でもしてやろと思ったんだけどな!
着てるものが違うだけで、ここまで分からないものか…」


『洞察力がねぇんだよ

それに何が穴場ですね だ!
お前の穴場は、紅葉じゃなくて私達の観察にうってつけの場所だってことだろ!!』

《ねぇねぇ》


「あぁ!そうとも

バカみたいな旅館の人がいるから真選組の情報を聞こうと思ったが最高のバカが釣れたな!!」


ギャハハと下品に馬鹿にしてくるアイツに苛立ち、胸ぐらを掴む

ギロリとにらみつけると、余裕の笑みで笑ってくる




「どうした?

俺をあのV字君のところへ連れていかないのか?
あぁ!すまない 連れて行けないか!!

バカだからぁ!!!」


≪ねぇってば≫  



『あぁ!お望み通り連れてってやるよ!!』


≪ねぇ≫



私は手錠をかける

だが、清々しいほど爽やかな笑みをこちらに向ける
コイツまだ作があるのか?




『さっさと来い』






「どうぞ!どうぞ」




ーーーねぇっ!!ーーーー





その瞬間、辺りは白い霧に包まれた
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