*空回りの運命線

□修学旅行は行く前が一番楽しい
4ページ/5ページ











『いやーそれにしても広い事…

もっとゆっくり泊まれたらいいんだけど 桂の野郎』

グッと拳をつくり、ここにはいない桂の顔を思い出しながら苛立ちを深めた
すると、玄関口から外を掃除する旅館の人が見えた
どーせ、行くとこないし山崎いないし、オススメの場所聞くか

私は、そう思い 自分の靴を靴箱から出すと外へ出て、声をかけた




『あの』

「はい なんでしょうか」
頭の上で結んだポニーテールを風になびかせ振り向いた
…かわいい。
パッと見てそう思った


『オススメの場所とかありますかね?』


「そうですね
水孤神社なんてどうでしょう
ここから、そう遠くないですし」

水孤とはここらの地名である
なんでも狐がたくさんいたとか


「あそこにある石の道を真っ直ぐ行った先にあるんですよ

誰もいなくて、でも今の時期紅葉が綺麗で穴場スポットなんです
でも、先日 神社の神主が亡くなってしまって今では女将が掃除をしてるんです」

紅葉か…
アイツラ連れて行ったらうるさいだろうな
それに紅葉って柄じゃないしね



『ありがとうございました』

そう行って、石の道へ足をすすめようとした時、女の人は何かを思い出したかの様に私を止めた



「あぁ!そういえば

女将がおっしゃってたんですけど水孤神社は、子供の妖怪がいるっていう伝説があるらしいです
大昔にイタズラがすぎて、封印されちゃったとかなんとか

もし、見たら教えてくださいね」

ほうきを持ってニコリと微笑んだ
まさに天使
私は、そんな表情一つせず微笑み立ち去った






…子供の妖怪ねぇ
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ