*空回りの運命線

□修学旅行は行く前が一番楽しい
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『ごめん!
ありがとう』


ドスンとボストンバッグを床に下ろす兄さんにお礼を言う
兄さんは、もちろん返事はなかったが 目を見て少しうなづいた
私は、それを確認すると二泊 泊まる自分の部屋を見渡した

結構一人分にしては大きい
本当は、三〜四人で泊まるのだがこれでも女という事で近藤さんが配慮してくれた
ベランダもついていて そこから見える秋の景色は絵に描いた様に美しかった




「…」
パッと兄さんに目をやると部屋から出て行くとこだった


『あっ、兄さん待って』
私が声をかけると兄さんはピタッと音もなく止まった
そしてゆっくりと振り返る


『あのさ
これから旅館探検するんだけど兄さんも一緒に…』
すると、兄さんは私の頭を二回撫でると部屋から出て行った




…断られたのかな?
まぁ、いいや。兄さん探検っていう柄でもないしね

私一人でも探検するか
総悟が他の隊員は旅館探検してるって言ってたけど山崎もいるかな?
そんな事を思いながら、部屋から出て行った











ーが


「おい。舞川」
その希望は儚く散っていった
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